チャ、チャラッチャ、チャーラー!

 

ヤフーニュースによりますと、最近、銀行口座の開設を断られる企業や個人が増えてきているそうです。

 

正確にいうと、銀行がお金を預からない、預かりたくないという状況です。

 

銀行がお金を預からない! 口座開設を迷惑がられる理由

 

この背景と世間一般の反応などをみてみましょう。

 

 

【銀行がお金を預からない理由を簡単に】

 

銀行というところは、ほとんどの日本人にとっては、公共性があり、管理がしっかりしていて、そして、口座開設をしてお金を預けて欲しいところだと思います。

 

ところが、この「常識」が今や崩れつつあります。

 

といっても、何かが変わったわけでもなく、銀行もその本質的なものに全く変更はありません。これについては、後半に書こうと思います。

 

そもそも銀行が口座を開設してもらったりお金を預けてもらったりしたいのは、その預かったお金を企業や個人に貸して、その金利差で利益を得るためです。

 

ところが、今やマイナス金利の時代であり、また企業は内部留保があるためにお金を貸して欲しいと思いません。

 

すると銀行は預かったお金を無駄に管理しなければならず、それにはリスクもコストもかかるわけです。

 

従ってお金は預かりたくないという本来の銀行業の目的からは逆行するような事態になっています。

 

本来の目的からずれるというのは決して健全なことではありません。

 

例えば、野菜を作り過ぎると野菜の価格が暴落して利益が得られないから、せっかく作った野菜を腐らせてしまうようなものです。

 

なんらかのシステム的な活動と解決が必要だと思います。

 

 

【ネットの反応】

 

この記事では、企業と個人に内部留保があってお金を借りてくれないという記載があるのですが、個人については、豊かさの実感もじっさいにお金もないという、つまり潤っているのは大企業だけではないかという思いも多くあるようです。

 

一方で、仮想通貨とかクラウドファンディングとか、一般の方は言葉だけは知っていても実際にはわからないという個人差も広がってくるように思えます。

 

 



 

【銀行の本質】

 

しかし、銀行の本質とは、お金を預けてもらって、それを貸し出して利益を得ることであることに変わりはありません。

 

銀行業というものが、いつ頃生まれたのかは定かではありませんが、人間が貨幣を考える前の物々交換の時代までさかのぼるのではないでしょうか。

 

つまり、モノを他人に貸して、利息をとることは可能だからです。(例えば、お米を貸して、1割増しで返してもらうとか)

 

そして、その後、お金という個人の生活のなかで重要なファクターを占めるものを預かるために、社会性、公共性が生まれ、信用が第一であるという考え方が生まれました。

 

社会的地位も保障された銀行員が生まれ、銀行で働いているというだけで、信用されるようになりました。

 

一方で、銀行も企業として健全な財務体制を支えるために、無駄なコストは1円だってけずるべきです。

 

その為に、AI技術の導入による段階的な人件費のカットをメガバンクが先日発表したばかりです。

 

いつの間にか当然と考えていた、銀行は口座を作ることを拒否できないとか、口座保管料のような手数料をとるのはおかしいという考え方は、銀行の本質を考えると、単にいままでの状況がお金を預けて欲しい、そのために口座を作って欲しいという方向であっただけの理由であることが、よくわかります。

 

 

【今後起こり得ること】

 

この状況が加速すると、どのようなことが起こると考えられるでしょうか。

 

1.銀行の店舗の大幅減

これは実際にすでに取り組んでいることです。これまで当たり前に駅前などにあった銀行の支店は消え、街の景観も変わると思えます。

 

2.口座管理料の発生

シティバンク銀行は日本から撤退してしまいましたが、ここは、ある金額以上(確か月初で50万円だったと思う)でなければ、口座管理料が発生していました。

 

また預金の額によって、客層を2つに分けており、ゴールドの客と一般の客とでは同じ支店でもフロアーが違いました。

 

こうしたことが、当たり前になるかもしれませんが、そこまで露骨にやれないとすれば、送金手数料とかATMでの預け入れや引き出しでの手数料でカバーするようになると思います。

 

3.マイナス金利での貸し出し

 

いまでも、状況によって一部行われていますが、お金を借りてもらって、それに対して銀行がお金を支払うケースが増えてくるかもしれません。

 

4.タンス預金の増加

 

いまでさえ多い、いわゆるタンス預金が結果的に増えます。

 

日本のシニア層の特徴は自分で使わないで貯金することなのですが、そこから何とかお金を引き出したいと考える人たちが投資セミナーとか、旅行や商品購入などで動くと思えます。

 

また残念ですが、そうしたお金をもったシニア層を狙った犯罪も増加するかもしれません。

 

 

【まとめ】

 

銀行の本質は変わらないのですが、実際の出方は大きく変わっていくと思えますので、今後はこうした動きに注意していくことが出来ればベストです。

 

しかし、世の中には、こうしたことに理解が及ばない方がたくさんいらっしゃいます。

 

銀行の窓口で働いていた女性などに聞くと、お年寄りに丁寧に説明をして感謝されることに仕事のやりがいを感じていたという話をよく聞きました。

 

こうしたことは、サービス業として当然で変わることはないでしょうが、何もわからないために騙される人も増えてくると思えます。

 

郵便局のおばさんが定期的に訪問してくれて、お金を預かってくれたような時代とパソコンとかスマホとかが出来なければ生きていけないような時代とどちらがいいのかは難しい問題です。

 

ただ、親切なロボットが登場してますし、ロボットでカバーしていくようになるのかもしれませんね。

 

 

お読みいただき、ありがとうございました。

 

 

20171214 by okkochaan