Originally posted 2018-02-19 22:48:47.

働き方改革

 

 

 

 

 

 

 

働き方改革法案をめぐっての国会審議がとまってしまいました。

 

詳しい状況は把握していませんが、国会中継はabemaTVでみていました。

 

(余談ですがNHKで放送されないとか言わずに、民間のWeb TVがますます普及していくことを僕は望んでいます。)

 

問題は厚労省が提出したデータが一般の労働者と裁量労働制の対象としたい専門職などと比較になっていないことでした。

 

一般の人には、「いちばん長く働いた時間は?」と聞き、専門職の人には、平均的な労働時間を聞いているので、当然の結論として専門職の人の方が労働時間が短いというデータになります。

 

さらに大きな問題は、このデータ上の欠陥に厚生労働大臣が7日に気づいていながら8日に精査するとしか回答していないことでした。

 

いずれにしても、法案のベースとなるデータがおかしいという理由で野党は審議を拒否したのです。

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出発点から違う与党と野党

僕は政治家ではないので、野党のこの戦略が正しいかどうかはわかりません。

 

安倍内閣は結果的には大企業よりの政策を推進しているだけだし、野党は国民の生活をベースに据えています。

 

ちなみに、国民の生活という観点からすれば、「働き方改革」という美しい名前に惑わされてはならないと思います。

また問題の2013年の労働時間等総合実態調査は下記から見ることができますが、僕には、みてもよくわかりませんでした。

 

ただ、他のサイトで指摘されていましたが、実は36協定の締結状況の調査というものも入っていて、それによると、ざっくり半数の事業所では36協定の締結すらしていないのです。
僕は案外、これが日本の会社の実態だと思っています。

労働法の適用範囲から見直した方がいいのではないだろうか

 

意外とご存じない方も多いかもしれませんが、労働基準法では保護されるものとして、労働者を対象としています。

 

従って労働者とは何かという定義もされていますが、それは第9条に以下のように書かれています。

 

第9条  
この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。

 

事業とは何かとか「使用される」とは何かとか細かな理解も必要にはなるのですが、それは個別に定義されていっています。

 

例えば、役員は基本、労働者ではないですが労働者とみなされることもあります。

また家族は基本、労働者ではありません。

それと、日本にある外国の大使館に勤務する方は労基法上の労働者ではありません。

 

労働者でなく労働基準法の適用除外であれば、残業代も出ないし、有給休暇もないだろうし、労災も受けられないことになるのです。

 

もし自分が労働者なのかどうかわからなあい場合は、上記の点をまずは確認してみてください。

 

裁量労働制は、今でも厳格な規定がありますが、この対象を働き方改革と称して、広げていこうというのが政府の狙いです。






忘れてはならないポイント

僕はこの法案に反対ですが、それには2つほど強い理由があります。

 

一つは、残業代の支払いとか36協定とか、労働基準法の規定は、守られておらず、無視され続けているからです。

 

法律にこれほどはっきり明記されていながら、これほど守られない規定を僕は他に思いつきません。

 

その2013年の調査でも36協定は厳しく提出を義務付けるべきものなのに、50%程度の状態で数字がよくなったと喜んでいます。

 

まあ、すべてをこうしたダブルスタンダードで動かしていくのを良しとする考え方もあるのだろうと思います。

 

ですが、ダブルスタンダードは拡大解釈を産み、過度な残業に対しての罪悪感を薄めてしまいます。

 

そして電通で起きたような不幸が実際に起きているわけです。

 

二つ目は、この働き方改革がターゲットとしている層が先日の税制改革の年収800万超あたりとかぶっていることです。

 

いわば中間管理職の上層部ぐらいがいじめられているわけですが、他の法律と同じく、得意の拡大解釈で、裁量労働制はなし崩し的に、他のより年収の低い層に波及していくことは明らかです。

 

例えば、経営とか企画にかかわることが、裁量労働制の対象になっていますが、「企画」という言葉が響きがいいので、どう考えても実態は数をこなす営業でしかないのに、「企画営業職」として求人を出すことは当たり前に行われています。

 

それでも我慢強い日本人だし、これまでも耐えてきているので、状況が多少悪くなろうが頑張るに違いありません。

 

でも、もちろん働き盛りの年代ではあると思いますが、家庭とかを考えると一番、公私ともに幸せでなければならず経済的にも豊かでありたい時期ではないでしょうか。

 

その人と家族の「幸福度」はどうなのでしょうか。

 

僕は「幸福度」も指数として事象ごとに必須チェックポイントとして入れて欲しいと思っています。

 

結局政治家とは抽象的な仕事なのか

何度も書いている気がしますが、政治家は本当に国民の暮らしとかを把握しているのかと思うことが多々あります。

 

安倍首相は今回、根拠のない間違ったデータをもとに法案を審議しようとしたことについて陳謝しましたが、僕は間違いにも理由があると考えます。

 

つまり、普通に考えると、裁量労働制とはエンドレスワークとも言えるので、職場から一歩出た瞬間に仕事のことをすべて忘れるというわけにはいかないのです。

 

だから、裁量労働制のほうが労働時間が短いというデータがあった場合に、それを疑わず受け入れてしまうことに愕然としてしまいます。

 

もちろん、間違いには理由があるのです。

 

それは、この法案を通したいという気持ちが、実態から乖離していても気づかない素地を作ってしまったのです。

 

裁量労働制は、働いていない時間であっても頭は動いているわけだし、そうした仕事をしている方を就業時間で規制することに無理があることは理解できます。

 

そうであれば、労働者という規定を見直すという手もあるかと思います。

 

また、この法律がトータルでの人件費の圧縮を目指しているのであれば、最終的には消費の冷え込みをよりひどい状態にしていくのではないかと思います。

 

裁量労働制という言葉は好きではないですが、自分で事業をしたりしていれば、残業代という概念すらないですから、当然のことと考えるでしょう。

 

しかし、日本のほとんどのサラリーマンは平凡で才覚があるわけでもなく、そして無駄に歳をとって邪魔にされながらも生きています。

 

仕事が輝いているひとなんて、ほんの一部なのです。

 

そのほんの一部をとって、その他大勢の駄目な人たちの見本にしようとしても、それは無駄というものではないかと思います。

 

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20180219 by okkochaan