こんにちは、おっこちゃんです。

 

和歌山市のマサキ珈琲店がコメダ珈琲店から訴えられて、東京地裁が和歌山市の喫茶店の運営会社に対し、店舗の使用差し止めを命じる仮処分決定が出されました。理由は、不正競争防止法違反です。和歌山市のマサキ珈琲中島本店の屋根や窓などの外観のほか、店内のソファーや席の配置などがコメダ珈琲に極めて似ているからとのことです。

 

まあ、この決定が出される前の報道で外観の写真をみても、これは、パクリと言われても仕方がないなと納得できるレベルです。

 

僕は関東に住んでいるのですが、コメダ珈琲店には家の近くにできた時からしょっちゅう行っています。

 

コメダ珈琲店には、概ね満足していますが、若干値段が高いのとネット環境がイマイチなのが不満なところかと思います。まあ、今ほとんどを占めているセルフサービススタイルの喫茶店には飽きているし、タバコを吸うので、しっかりと喫煙者への配慮もあることが魅力です。セルフの店に比べれば若干値段が高いのも、実際問題、うるさい客もおらず客層が落ち着いていることを考えると妥当なのかなという気もします。

 

また、さすがに名古屋発の会社だけあって、味噌カツサンドは美味しいです。モーニングサービスも名古屋の主婦の方が発信地だと聞いたことがあるので、名古屋は喫茶店の楽しみ方を知っているなと思っています。

 

しかし、僕は、古い形態の熱いおしぼりがでてくる喫茶店が好きなので、そうしたお店がかなり少なくなっていることが残念だとかねがね思っていました。だから、コメダ珈琲店はそのすきま風のような不満な部分をうまく取り入れて店舗展開をしているのが成功の原因に違いありません。

 

さて今回のマサキ珈琲店ですが、店の外観やサービス内容を見てもパクリと言われても仕方がないレベルですが、僕は、いろいろ調べていくうちに初めからパクリをしようという意図はなかったように思えてきました。

 

それは、このマサキ珈琲店を経営している株式会社ミノスケの社長である坂田美之助さんを知るにつけ思ったことです。知らなかったのですが、この会社の主業務は家庭用のゲーム機器を販売しているらしいですが、あの有名なデュオグループのコブクロの音楽事務所を別会社で行っていて、しかも所属はコブクロのみとのことです。

これについてはちょっと感動したこともあるので、別に書きますが、この坂田社長がコブクロを世に出したといっていい状況であり、坂田社長自身は音楽事業にはまったく無知であったにもかかわらず、道頓堀でコブクロがストリートミュージシャンをしていた時に偶然立ち会ったのがきっかけだったようです。

 

もしかすると、今回のパクリも坂田社長がたまたまコメダ珈琲店で珈琲を飲んで、そのサービスや内容に感じるところがあったからかもしれません。事実、株式会社ミノスケは、コメダ珈琲店に業務提携を申し込み断られているという経緯があります。

 

その経緯は調べないとわかりませんが、関東からどんどん販路を広げているコメダ珈琲店としては、直営にこだわりがありフランチャイズがNOなのかもしれないし、より高いロイヤリティを考えていたとか和歌山への別の展開を考えていたからかもしれません。坂田社長としては、ならば実績からということで、気がついたらどうみてもパクリの領域に踏み込んでしまったのでしょうか。

 

ただ、最後に僕は初めにもどってはっきりと言いたいことがあるのですが、それは、コメダ珈琲店の現在のサービスは決してゴールではないし、ある一定の層のファンは捕まえましたが、その層に対してすら、現在のサービスがベストだとは考えて欲しくないということです。

 

僕については、そもそもですが、ある程度の大きさの地方都市であるのに、喫茶店がありません。セルフサービスの店はありますが、お店のひとが来て注文を取る形式の喫茶店がないのです。コーヒーを飲もうと思ったら、それぞれ一長一短があるセルフサービスの店に行くか、大衆向けの安いレストランでのフリードリンクサービスを頼んで、自分でもってくるか、セブンイレブンなどのコンビニで100円で自分で入れて店の前とか車のなかで飲むかぐらいしかないのです。

 

僕が考えるに、喫茶店というのは、場所を時間で買う面があると思います。飲みもの自体の価値はせいぜい1割ぐらいで、場所を買うことによって、くつろいだり、友人と待ち合わせたり話をしたり、そうした空間に価値があると考えます。

 

つまり、コメダ珈琲店が成功した背景には、セルフサービスの喫茶店しかない状況になった不満、特に落ち着いた環境が得られない環境についての物足りなさをカバーしたからだと思っています。

 

だから同じような外観の店である必要はなく、こうした顧客のニーズを叶えてサービスに注意を払えば必ずより良い喫茶店が可能ではないでしょうか。坂田社長はその点を十分に考えるべきでした。そして和歌山という土地の人たちが求めているものを把握できれば、まったく異なった外観で、より質の高いサービスが提供できる店ができたのではないかと考えます。

 

お読みいただき、ありがとうございました。

 

20161228 by okkochaan