いのちの電話が近年つながらないことは問題になっていて、僕も以前、記事を書いたことがあります。

 

座間市で9人の遺体がみつかった事件でツイッターが使われたことから政府はなんらかの規制を含めた対応を年内に行うといっておりますが、ツイッターが一つのはけ口であったことは間違いないにしても、だからツイッターを規制するというのはおかしなことだと思います。

 

また、自殺を考える若者の対応口としての「いのちの電話」が下記の毎日新聞の記事で注目されています。

 

自殺予防のために悩みを聞く全国の「いのちの電話」に相談が殺到し、対応が追いつかない状況が続いている。神奈川県座間市のアパートで9人の遺体が見つかった事件では、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で自殺願望を漏らした女性たちが巻き込まれた。追い詰められた人々のケアの現状はどうなっているのか。

 

 

今回の座間市での事件から、すでに被害者の学校などでは、ツイッターなどSNSでの誘いに決してのらないことの指導が行なわれているようです。

 

またSNS上の規制に関しては、強い反発もあります。

 

【いのちの電話とは】

いのちの電話とは、1953年に英国のロンドンで始まり、日本では71年に東京で初めて開設されたそうです。



同じく英国初で有名なものとしては、1908年にロバート・ベーデン=パウエルが創設したボーイスカウトが有名です。



どちらも指導者や相談員は無報酬、つまりボランティアで行っています。



「日本いのちの電話連盟」によると、42都道府県52カ所で電話相談を実施しています。



主に社会福祉法人やNPO法人が寄付金収入で運営しており、ボランティア相談員は全国で約6500人。15年の相談は70万件を超えているとのことなので、「いのちの電話」という印象的な名前もあり社会的には広く認識されています。



原則はあらゆる悩み事に応じるようですが、特に自殺防止に重点がおかれています。



ただ、相談員になるには1年半の教育を受け、その時間と費用負担があります。研修会や移動、宿泊費用もすべて自腹です。



そのうえ、24時間対応なので当然、夜間の勤務もあるので、現在約6000人いらっしゃる相談員の方々には頭が下がります。

 

この時間と費用負担を考えれば、類似の資格でもキャリアカウンセリングだとか、それなりの収入が得られる資格がとれるわけだし、この「いのちの電話」への強い思い入れとか信念とかがなければ、とても出来ることではありません。

 

 

【最近の相談の傾向】

 

毎日新聞の記事によれば、最近の傾向としては、相談内容の深刻化とともに、相談時間が長くなる傾向があるとのことです。

 

それもあって、いのちの電話がつながらないという問題が生じていて、過去の調査では、かかった電話の3~4%しか出られなかったというデータもあるそうです。

 

ネットで検索しても、いのちの電話がつながらないことに関しての記事が多くあり、なんとか改善できればと思います。

 

僕の古い友人で、いのちの電話の活動で知り合って結婚した人がいますが、まだ公衆電話が街にたくさんあるころ、最後の10円玉を握りしめて、いのちの電話に電話して救われたという話を聞いたことがあります。

 

残念ながら現在は、携帯からなんどかけても話し中でつながらないという可能性のほうが高いようです。

 

また、相談員のかたは、主婦の方や退職されたシニアの方が多いとのことですが、こうした相談電話は、心身ともにかなり負担があることだと思います。




【いのちの電話につながらない時どうすればいいか】

 

いのちの電話はピラミッド型に統制された組織ではなく、それぞれ独立して全国各地にあります。

 

ちなみに相談員になるための研修費用も個別に定めているようです。

 

こうした事情はあるのですが、もしつながらない場合は、まずは近隣の他の場所に電話してみるとつながる可能性があると思います。

 

下記ページにそれぞれの拠点名と電話番号、電話の受付時間帯がまとまってありますので、ご覧ください。

全国のいのちの電話
また、どうにもならない状態になる前に、メール相談もしているようなので、まずはメールしてみるというのもいいと思います。

 

 

【いのちの電話への提案】

 

残念ながら、いのちの電話につながらないことや、実際に対応していただいて失望したことなどの情報もあります。

 

これは膨大な相談数を考えれば、ある程度でてくるのは当然だと思うし、それ以上に感謝されていることが圧倒的に多いと思います。

 

しかし、つながらないことについては、なんとか改善できればと思っています。

 

おおまかに世代からの状態を考えると、相談員の方がシニアが多く、相談するかたは10代から30代ぐらいが多いのではないかと思います。

 

この世代の大きな違いは、スマホを自分の体の一部のように使っている世代と、そうでない世代と言えるのではないでしょうか。

 

また若い世代すべてではないですが、上下関係のある対話に慣れておらず、友達と話すときと大きなギャップを感じることが多々あります。

 

僕が以前、就職面接の指導をした時に強く印象に残っていることがあるのですが、それは面接を明日に控えた人たちを集めて、全員が見守る中で交代でリハーサルをした時のことです。

 

ある女性があまりにも型どおりに、たどたどしく、声も小さく、これでは面接で落ちてしまうだろうと考え、ともかく自分に自信がないおとなしい子なんだなと思って、少しでもそこを良くできるようなアドバイスをしようと思いました。

 

僕のアドバイスの基本は、面接という特殊な場所とはいえ、お互いに初めて会うわけだし、その点では初めて友達になるかもしれない人との出会いと変わらないわけだから、もっと自分を出して、言葉とマナーだけは注意すればいいのだということです。

 

そして、そうしたことを彼女に話し、彼女に「明日頑張ってね」で終わった直後ですが、彼女はまるで今までと別人のように周囲の仲間に友達言葉で勢いよく話し始めたのです。

 

その表情まで別人のように生き生きとしていて、僕はあまりのギャップに驚き、なんだか裏切られたような気持になりました。

 

そこには、「今のように生き生きと面接すればいいんだよ」というアドバイスを拒否するような入って行きづらいものを感じました。

 

長々と書きましたが、必ずしも電話の相談が最適ではなく、メールや場合によってはチャットに近いやり取りのほうが普段のコミュニケーションに近いために距離を縮めるには有効かもしれないということを言いたのです。

 

ただ日本いのちの電話連盟でチャット相談もやっていたようですが、9月に終了となっているので運営上やはり難しい面があったのでしょうか。

 

いずれにしても、ここでの僕との面接リハーサルがいのちの電話にかけることだと考えると、周囲の仲間に話しかけたような状況にできるだけ近いものを作ればよいというのが僕の意見です。

 

 

【在宅メール相談を増やしたらどうか】

 

以上からつながらない場合のアナウンスにメール相談も受け付けていることを入れるのはいかがでしょうか。

 

そして、その回答には正規に訓練を受けていない方でも対応できるような仕組みを作ればよいのです。

 

メールで解決しない場合には、相談員の空いたところにスケジュールしていきます。

 

ただ、これをボランティアでやる方がどのくらいいるかという問題はやはりありますね。

 

多くの方がおっしゃっているように、相談員にもしっかりと給料を出すということが直接的な解決ではという気もしますが、これは本来ボランティアで始まった活動を根本から変えてしまうので、難しいのかもしれません。

 

いずれにしても、僕はツイッターが座間の事件で使われたから規制するという考え方には賛成できないし効果もないと考えています。

 

いいところで、特殊なつぶやきをした人を調査することを強化するぐらいしか出来ないのではないでしょうか。

 

もしくは、ある方がおっしゃっていましたが、戦闘機を一機買うお金を回せたら、どれほど効果があるだろうとか考えてしまいました。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

 

20171115 by okkochaan