安倍内閣は、このまま政権を維持すれば戦後最長の内閣となります。
しかも森友、加計問題、昭恵夫人の証人喚問はじめ都合の悪い証人喚問には応じないこと、政策の説明が不十分であること、閣僚の相次ぐ不祥事などなどありながら、支持率は下がっていません。
このあたりの事情と、もし現状に変更を加えるのであれば何が必要かを考えてみたいと思います。

 

 

少し前ですが、5月29日の朝日新聞の記事がこの問題を取り上げていて、その記事の調査や考察内容は僕にとっては賛同できるものでした。

 

 

この記事は、それを踏まえて書いていますので、ぜひ合わせてお読みいただければと思います。

 

 

加計・森友問題、それでも…崩れぬ「安倍支持」の理由

2017年5月29日 朝日新聞DIGITAL

 

 

簡単にまとめると記事の内容は以下の通りです。(以下、同記事から引用)

1.朝日新聞が24~25日に実施した緊急世論調査でも内閣支持率は47%になり、ほとんど動かなかった。相次ぐ閣僚の失言、森友学園や加計(かけ)学園の問題が噴出しても大きく崩れていない。

2.埼玉大社会調査研究センター長の松本正生教授(政治意識論)は「先が見えない不安のなかで、今の状況がこのまま続いてほしいという現状肯定感がある」と指摘する。失業率が下がるなど、今の生活の安定が支持につながりやすい。

 

 

つまり、「『安倍さんがダメ』なら『野党の内閣に代わる』というセットでみた時に、より安心で信頼できる内閣でなければ、より悪くなることを恐れ、むしろ現状維持を希望するというものです。

 

 

よく言われますが、他に誰がいるの?というわけです。

 

 

ジャーナリストの櫻井よし子氏もこれを書いていて、一言で言えば、民主党政権時の菅首相や鳩山首相に任せられますか?一年交代で首相が変わるような国は政治が安定しない国とみなされるし、結果、経済政策でも伸びないという理屈です。

 

 

面白い点は、「安倍内閣の支持率はなぜ高いのか」と同じことですが、政策上で積極的に支持する人の割合は必ずしも高くないこと、森友学園や加計学園の問題について、政府の対応は不十分であると考えている人の割合が高いことですが、それにもかかわらず、それは支持率に影響を与えず支持率は高いのです。

 

 

以下、もう少し朝日新聞の記事からの引用します。

 

安倍内閣を「支持する」人に、その理由を選択肢の中から選んでもらうと「他よりよさそう」が半数を占める。「政策」の2割を引き離し、最も多い。

*内閣を支持する理由で「他よりよさそう」をあげた人たちの個別案件への意見。

共謀罪法案  賛成49 反対29

共謀罪法案、政府の説明 十分 9  不十分77

森友学園、政府の説明 十分13 不十分76

原発再開 賛成36 反対47

 

 

くどいようですが、安倍内閣を支持する47%のうちの半数は、「なんとなく良さそう」で支持すると答えています。

 

 

安倍首相の目論見通りにいけば、この調子で憲法改正についても国民投票で賛成票が過半数をとれそうです。

そして、憲法は国民にとっては、なんとなく変わります。

 

 

その「なんとなく支持する」ひとは、共謀罪を除けば、安倍内閣の目玉政策のほとんどに反対の意見を持ちながらも、「なんとなく良さそう」だから支持しているわけですから、当然の帰結でしょう。

 

 

安倍内閣を積極的に自分の意志として支持している方は、23%だけであり、これだけを見ると、安倍1強と言われながらも、その基盤はきわめて脆弱であるとも言えるわけですが、にもかかわらず、重要な法案が次々と可決され右傾化していっています。

 

 

以前僕が書きましたが、日本での最大政党?は無党派層であり自民党ではありません。

 

 

無党派層は5割を占め、無党派層で内閣を支持する人は2割強しかいません。

 

 

そもそも政治に興味がないとしている人も多いし、散木のように野党化している状況といえます。

 

 

奇しくもいま話題の前川前事務次官が、自分の座右の銘は「面従腹背」だとおっしゃっています。

 

 

良い意味で、とのことですが、役人としての行き方としてやむを得ない面があると僕は考えています。

 

 

「安倍1強」の陰で、安倍内閣に代わるひとを待ち望んでいる人はいると思います。

 

 

しかし、現状の日本はあまりにもいろんな事が中途半端な状況です。

 

 

経済的にも、精神面を含めた生活全体としてもいまや三流国レベルであるのに、それでも現状維持を甘んじて選択しているわけですが、じわじわとした変化であるので、一気に現状打破とか変化を求めるとかの強い意思が生まれません。

 

 

そればかりか、自分が貧しいことも認めようとしないと思います。

 

 

より下がいると思って、ちょっと安心するのでしょうか。しかし少しずつずり落ちているのですが。

 

 

イデオロギーとか人としての価値とか生き方とか、そうしたことはどうでもいい、まして大義名分などどうでもいいというのが実態だし本音なのかもしれません。

 

 

実際には雇用が少ないこととか、給料とか税金、社会保険、老後の保障など考えると怖いけれども、とりあえず今は考えなくていいことに取り巻かれています。

 

 

なんとか社会の片隅で平凡でも人並みに生きていたい。

 

 

目立つことはしないけれども、痴漢に間違われたら人生が破滅すると考えて線路に脱走したりします。

 

 

この朝日新聞の調査では安倍内閣を支持する年代別、性別のグラフがありますが、それによると、20代から60代70代へと年齢が上がるごとに右肩下がりしていることがわかります。

 

 

結局、若い世代は閉塞感に押し込まれていて、夢がない期待も特にしないという刹那的な生き方が増えていると思えます。

 

 

大義名分とは例えば、自衛隊を憲法に明記することですが、「あまり興味ない」というのが実態ではないでしょうか。

 

 

僕は、この国に民主主義は根付かなかったと考えているのですが、これは政治信条を問わず不幸なことと考えています。

 

 

これとよい対比なのが、アメリカでのトランプ大統領への弾劾運動です。

 

 

僕は、特に野党の方々がこのことを十分に踏まえて自民党と互角に戦って欲しいし、そのような指導者が排出することを期待しています。

 

 

もしかすると、それは今、中学生ぐらいのかたなのかもしれないですね。

 

 

最近のスポーツでの若い方々の活躍をみてふと思いました。

 

 

この最近のスポーツでの異常な人材の排出と時代の閉塞感とは無縁ではないかもしれません。

 

 

20170603 by okkochaan