日本の労働問題の本質

ちょっと笑ってしまうレベルのジャパンビバレッジの
有給チャンスメール事件ですが、
この会社の年収とか過去のストライキ、
ブラック企業度などについてサクッとおさらいしました。

 

そのうえで、将来ある今や希少価値になりつつある
若い世代の方々が、今後どのように生きればいいのかという
根本的な問題について、私見を述べたいと思います。

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有給チャンスメールの簡単なおさらい

事件は2年前の5月に、新宿の支店長が所属社員に出した
「有給チャンスメール」なるものです。

 

これは、都内の地区をならべて売り上げが高い順に
回答するようにというもので、全問正解なら
有給を取得できますが、資料を調べたりしての
回答は無効だけでなく、降格もありえるという
すごい内容です。

 

しかも結果は、2つの地区がかぶっていたために
全員不正解となり、「残念でした」という
小憎らしいメールがきています。

 

通常の問題であれば、問題自体に問題があるので、
正解にしなければならないところでもあります。

 

そして、この事件は、社員がブラック企業ユニオンという
外部組合に通報・加入することで、発覚しました。

 

ジャパンビバレッジの年収と過去のストライキ

ジャパンビバレッジはサントリーの子会社で、
未上場ながらも社員数は4000人あまりの
そこそこの企業です。

 

この会社のなりわいは、自動販売機の
オペレーション業務なので、誰でも
見かけたことがある自動販売機への
商品補充や売上金の回収、点検などのようです。

 

これは現状、人間の手で行うしかない
業務でしょうが、地味で大変な仕事だと
僕は思います。

 

求人サイトをみると、給料は月、
18万から22万ぐらいなので、
平均的な金額なのでしょうか。

 

経営側からみれば、人件費をなるべく
削減したいところでしょうが、
つらい仕事であることが想像できるので、
自分の息子が働いていたら、
すぐでなくてもいいから、将来のことを
考えるようにアドバイスするかもしれません。

 

しかし、職場が健全で楽しく仕事が
できれば、それでも幸せかもしれないのですが、
未払い残業代の支払いと労働条件の改善に
中心的な役割を果たした組合員に対して、
ジャパンビバレッジが「報復」の懲戒処分を
突きつけているので、その撤回を求めて
ストライキを行っています。

 

それは今年の5月、JR東京駅でのことですが、
会社は他の社員を多数派遣することによって、
残念ながら効果はあまりなかったかもしれません。

ジャパンビバレッジはブラック企業か

僕はこれまで、過労死とか残業の問題について
いくつか書いてきましたが、記事を
書くうえで、調べていると、
事態を容認するような意見が必ず
出てきます。

 

今回のジャパンビバレッジの例でいうと、
「この程度で騒ぎすぎ」とか
「そんなの当たり前」
といった意見です。

 

こうした意見の背景にあるのは、
「あきらめ」かもしれないし、
成功した人からみれば、
「人間は苦労しなければ一人前ではない」
といった考え方かもしれません。

 

こうした考えはかなり根強く日本人一般の
根底にあるように思います。

 

それにいい悪いをつける気はありませんが、
ただ、幸せにはなりづらいと思っています。

 

そして、それは今回の事件のような
パワハラも伴った事件に容易に発展
してしまいます。

 

労基法上どうなの?は言及しない

今回の事件は、ある意味、とても
わかりやすい面があるので、批判は
簡単にできます。

 

とくにフランスなどの労働事情に
詳しい方から見れば、「野蛮」とすら
うつると思います。

 

労基法上はあきらかなアウトだし、
今回も結局は本当は会社側に
全面的に責任があるのに、
当該支店長の処分を検討すると
いっていますので、トカゲの
尻尾切りで逃れると思います。

 

つまり本質的な問題は無視されるのです。

 

日本特有の労働上の本質的な問題

僕は、日本での労働問題の本質的な問題は、
もっと別なところにあると、いつも
思っています。

 

それは、労働者側にも責任があることです。

 

残業の問題でもそうですが、確か、過半数の
方が、サービス残業はやむを得ないと
認めているのが実情なのです。

 

なにかお互いに傷口をなめ合うような
状態でなければ、自分が責任から
逃れているような罪悪感を感じてしまう方が
多いことが、僕は本質的な問題だと
考えています。

 

それと、人と同じでないと安心できない
という特有の性質があると思います。

 

そうなると、結局、徹底したストライキとか
権利の主張ができなくなります。

 

「調和」とか「和の精神」とかを
都合よく解釈して、感情の平衡を
保とうとし、自己の存在を肯定
しようとする作業を無意識で
行ってしまいます。

 

僕はなにもフランス的な徹底的に
合理的なスタンスがいいと思って
いるわけではありません。

 

こうしたことは、結局、選択の
問題なのだと考えています。

 

若い世代への提言

以上から、僕が若い世代の方々に
提言したいことをまとめたいと思います。

 

まず、なんとなく真面目に働いていれば
将来は安心だという気持ちを捨てることです。

 

この変化の激しい世界で、もはやそれは、
何の根拠もなくなってしまいました。

 

できれば会社以外の人とできるだけ交流すると
いいと思います。

 

思い切って会社を辞めるのもいいと思います。

 

そして、日本の会社のような忖度でまみれた
環境が全くない、全く違う価値観で働いて
いる人たちが実際にいることを実感することが
重要ではないかと思います。

 

もちろん、残った社員のために組合活動を
する道もあるかもしれません。

 

ただ、それで何らかの「改善」があったとしても、
それは苦い勝利でしかなく、将来に
つながるものではないと思います。

 

むしろ会社を辞めることで、会社が本気で
人材確保の重要性を認識することの方が、
近道であるような気がしています。

 

20180821 by okkochaan