あなたは副業を考えたことがありますか?
これをお読みになっているのであれば、考えたことがあるのかもしれませんね。
最近の政府の調査では23%のかたが、副業を新しく始めたいと考えているそうです。
ただし、56%の方が、副業を予定していないと回答しているので、実際に副業をなさっている方は、まだまだ少ないと思われます。
最近の政府発表の調査の記事があります。
政府が推進する会社員の副業や兼業について、4分の3以上の企業で認める予定がないことが、厚生労働省所管の独立行政法人、労働政策研究・研修機構の調査で明らかになった。
引用元: ヤフーニュース 副業、4分の3が認めず=企業、過重労働を懸念
政府は、副業を推進していますが、企業の認識とは大きな格差があります。
正直、少し前に、副業を認める企業が増えてきたニュースがあったので、多少の変化があったのかなと思っていました。
ここでは、会社が副業を禁止する理由の考察と、それでも副業に多少でも興味がある方に、ケース別の対応法を書きます。
また会社にとって副業を禁止することが、マイナスに働く可能性も指摘してみたいと思います。
副業の明確な定義はない
副業には明確な定義がありません。
本業(サラリーマンであれば給与所得)とは別に仕事をしていれば、副業と覚えておけばいいと思います。
アルバイト、派遣、在宅ワーク、内職などが考えられますが、範囲が広いため、副業の話をしていても、人によってイメージする副業が違うために話がかみあわないこともあるはずです。
会社が副業を禁止する本当の理由
ここで、会社が副業を禁止している理由について考えてみたいと思います。
引用記事によれば、認めない企業の82.7%が「過重労働で本業に支障を来す」を理由にしています。
もちろん、就業後から深夜にかけて毎日働いていれば、本業に支障を来すことは当然なので、そのケースだけをとればもっともに思えます。
しかし、副業のバリエーションは多数あり過重労働となる場合ばかりとは考えられません。
それでも一律に副業を禁止しているのはなぜでしょうか。
僕は2つの理由があると思います。
理由1:変な浮気をしないで、本業に集中させたい
副業の禁止は法律によるものではありません。
それでも副業を禁止とすれば、憲法の職業選択の自由に抵触します。
つまり、認めるとか認めないとか言っている時点で、本来はおかしな話です。
サラリーマンは規定時間を会社の仕事に集中する義務はありますが、それ以外の時間はプライベートな自由な時間だからです。
ただ副業禁止は就業規則に規定するので、労務契約としては合理的な理由があれば有効になると考えられます。
もし過重労働のみが、副業禁止の理由であれば、副業によっては認められる可能性はあると思います。
*ただし、憲法違反だとかいって会社と対立するのは百害あって一利なしです。
理由2:管理上の理由で副業禁止としておきたい
僕は、実はこの理由が一番多いのではないかと考えています。
副業禁止としておくことで、何か問題が起こった時のカードを会社は持つことができます。
まずは、全体に禁止令を出しておけば、副業をしようとする人の絶対数を減らすことができます。
事実、引用記事の調査でも、56%の方が、副業をするつもりはないと答えています。
それでも副業をする人は出てくるでしょうから、その場合には個別対応をすればよいのです。
副業を禁止することが、マイナスに働く場合
しかし会社が副業を禁止することがマイナスに働く場合があることを、今後は認識する必要があるのではないでしょうか。
マイナスに働くのは以下のような場合です。
人材確保が困難になる
優秀な社員を外部から採用する場合とか、社員を退職させないためには副業禁止を外した方がベターです。
外部から来た人にとっては、優秀であればあるほど、別な収入源を持っている可能性は高いです。
これを就業規則だけの理由で禁じてしまえば、とても窮屈な力を発揮できない会社と思われても仕方がありません。
総じて、副業をしている人は現状をよりよくしたいとか、スキルを上げたいとか向上心の高い人だからです。
価値観がひとつになり活力が低下する
もし職場が副業など考えたこともない、会社一筋の人間ばかりだったらどうでしょうか。
真面目で根気よく働く人ばかりで、それなりの業績は出るかもしれません。
しかし、価値観がひとつであるために、産業構造の変化とか、予想外の事態に対処する能力はなく、もろい組織となります。
社長の意向に反対意見ひとつ出せず、側近にイエスマンばかり集めている会社は伸びません。
社長が本田宗一郎氏のような人であれば、一人で引っ張っていけるかもしれませんが、生身の人間には限界があります。
事実、本田宗一郎氏は社長なんて肩書には何の意味もないと言い切っています。
会社は、社員が多数いても、外部コンサルティングを使ったり、外部から優秀とされる人材を採用したりして、このリスクを避けようとします。
しかし、これは病気になってからの外科的手術と同じです。
そうならないためには、内科的な治療として、自由な発想や議論を普段から活発にできる企業風土にすればよいのです。
そのためには、多様な価値観を受け入れる能力を持たねばなりません。
現在、スポーツ界のいろいろなところから、こうした組織的なもろさと価値観の変化を観ることができます。
それは、さながら、生き残った古代の生物が倒れていく様にも似ています。
こうした企業にしてはいけません。
そこで、小さなことかもしれませんが、副業を解禁することで、企業風土を変える初めの一歩になるのです。
副業をしている社員が、外の情報とかノウハウ、発想などをお金をかけずに持ってきてくれるからです。
絶対やってはいけない副業
副業は就業規則で規定されていますが、会社が認めてくれる場合も多いと思えます。
しかし、絶対にやってはいけない副業については、押さえておきましょう。
これは、判例もあるのですが、以下のような場合です。
本業がおろそかになる場合
企業から副業を認めない一番の理由でもありますが、長時間とか深夜にかかるような仕事は「過重労働で本業に支障を来す」と言われても仕方がありません。
これは裁判でも負けています。
考えてみると、趣味とかであっても同じですが、副業をやるからには、本業はむしろこれまで以上に熱心に取り組む覚悟が絶対に必要です。
競業避止義務に違反する場合
簡単に言えば、同業他社(つまりライバル会社)で働いたりすることは厳禁です。
また会社の名前を汚すような行為、言動、会社の情報を漏らすことなど、副業以前の問題ですが、絶対に避けましょう。
副業を始める確認と覚悟
副業を始める場合には、会社に確認することが一番です。
コソコソやるのはお勧めできません。
税法上では確定申告時に副業収入を別に納税する方法もありますが、同僚などからばれる場合もあります。
というより、副業はわかるものだと考えておいた方がいいです。
仮に申告しないで始める場合は、会社にわかった時にどう対応するかを、事前によく調べ考えておきましょう。
テクニカルな問題を別にしても、会社の仕事はより熱心に行うべきだし、副業によっては、そこで得た技術や知識が仕事にプラスする場合もあるかもしれません。
規則は別としても、仕事が出来るのでクビに出来ないような形をつくっていくことも重要です。
また、いずれは独立を視野にいれて、リスク回避のために、まずは副業から始めるという場合もよくあると思います。
収入が20万以下の申告不要のレベルなら問題ないですが、それを超える場合は、確定申告をします。
所得税を別に納付をしたうえで、4月から5月の市区町村役場から会社に納税額の通知が来るのをにらんで、その前に退職するという手もあると思います。(ただし退職後の地方税の負担は大きいので、よく考えましょう。)
副業のススメ
以上、副業について書いてきましたが、僕は副業をやるべきだと考えています。
副業をすることで、世界も知識も経験も広がります。
また、会社が倒産したり合併などで、やめざるを得ない状況に追い込まれたりした時のリスク回避ができます。
僕自身は、ネットビジネスをしていますが、収入を得るのは決して楽ではありませんし、能力というより、向き不向きはあると思います。
向き不向きとは、やっていて楽しいかどうかということです。
例えば僕が出来ないことですが、副業で週1回、料理教室の先生をしたりピアノを教えたりできればいいなと思います。
楽しくやれれば人がみて大変だと思っても、苦労とも思わないので、向いていると言えます。
自分の向き不向きを確かめるためには、いろいろとやってみることです。
その上で、一度これだと決めたら、ぶれずにやり通してください。
また、楽して稼げるサイドビジネスというような話はすべて嘘なので、そうした詐欺にあわないように注意してください。
20180919 by okkochaan