派遣会社から仕事を紹介してもらえない、どうすれば良いか。
これは失礼で、頭にくる話だし、死活問題でもあると思います。
Webで検索していろいろ読んでみても、書かれている対処法には、納得できないことも多かったので、この記事を書きました。
この記事は本質的な問題から派遣会社側の問題まで書いています。
たぶんこんな書き方は誰もしていないと自負しています。
一般的に考えられる理由
まずは、基礎知識として、一般的に考えられる理由を書きました。
ここは流して読んでいただいてもかまいません。
条件が狭すぎないか
派遣会社は登録に際して、時給、職種、勤務地などの希望を必ず聞いていると思います。
またそれらの条件が、絶対条件であるのか妥協できるものなのかもあります。
多くの場合、派遣会社はコンピューターシステムに条件を打ち込んで検索していますので、条件が狭いほど検索にあがらなくなってしまいます。
これらがデータとしてどうなっているか確認してみましょう。
登録データやスキル・資格の更新はされているか
登録から時間がたち、データの追加記入がなされていない場合も考えられます。
同様のことですが、スキル・資格の更新がされているかもチェックポイントです。
また仕事に関係ないと思われる資格についても、申告しておいたほうがいいと思います。
もし派遣会社に再登録の制度があれば、派遣会社は新規の登録者として扱いますので、すぐに仕事の紹介をもらえるかもしれません。
職歴の見え方を職務経歴書を書いて確認してみよう
あらためて、職歴について、見直してみましょう。
それには、面倒でも職務経歴書を自分で作成するのが一番だと思います。
なるべく、これまでの職務経歴書に修正・追加をするのではなく、初めから書き直してみましょう。
派遣先によっては、職務経歴書に一貫性がないことを嫌ったりする場合もあります。
そのような場合は、求められればいつでも、しっかりと説明できるようにしておきましょう。
自信がなければ、初めは他人に作ってもらうのもアリだと思います。
なお、職務経歴書は既存のフォームは使わず、白紙につくります。
そうすることで、英文レジメ型の相手に直接的にアピールできる職務経歴書ができます。
僕自身、他人の職務経歴書を数えきれないぐらい作りましたが、自由フォームの職務経歴書を作るのに不慣れな方は非常に多く、結果的に職務経歴書で損をしている方が多い印象です。
職務経歴書は見せ方をちょっと変えるだけで、驚くほど違ったものになる場合があります。
また派遣会社の営業担当者にも渡し、データの修正をして貰ったり、添付書類として紹介時に派遣先に提出してもらう方法は効果があります。
この場合、氏名や住所、電話番号、企業名などは伏せるべきなので、それらを消したバージョンの職務経歴書もあれば完璧です。
派遣歴について
職務経歴書を作成する時に多く同時にチェックして欲しい点があります。
これは、多くの派遣先で短期間働いた経験がある方の場合です。
実は、職歴が多いという理由で仕事の紹介が来ない場合がけっこうあります。
派遣というものは、本来、短期間の就業なので、派遣で働いていれば職歴が増えるのは当然です。
しかし、理不尽なことに、その派遣就業の多さがマイナスに働くことも多いのです。
本来は派遣経験が豊富な方は、派遣のプロフェッショナルと評価されるべきなのですが、そうした見方をしてくれる派遣会社や営業は少ないです。
派遣会社は正社員、派遣の職歴について必ず退職理由を聞いていると思いますが、それは、あなたの適正とか、どういった状況だと仕事を辞めるのかを知りたいからです。
しかし、他の派遣会社での就業歴の場合、短期派遣を繰り返していると、「本当な長期の予定だったのではないか」と疑います。
実際、その企業と取引をしていたりすると、そのポジションが長期のものであったこととか、現在依頼されている案件があなたの後任であったりすることがわかる場合も多いです。
自分を高くみせることも大事ですが、見えすいた嘘はマイナスにしかなりません。
こうしたことは、派遣会社の営業には正直に事情を話し、細かくなってしまって方向感のない職歴をうまくまとめて貰うことが出来ればベストです。
自分を見直すことが出来るだけでも、職務経歴書を書くことには十分に意味があることなのです。
派遣会社とのコミュニケーションはうまくいっているか
ここまで、派遣会社から仕事の紹介がもらえない理由について、一般的な理由を書いてきました。
(職務経歴書の箇所は、ちょっとテーマから逸脱してしまったかもしれません)
しかし一般的な理由すべてに優先して最も重要なチェックポイントは、派遣会社とのコミュニケーションがうまくいっているかどうかです。
逆に言えば、派遣会社とコミュニケーションがうまくとれていれば、ほとんどの問題は解決してしまいます。
また、コミュニケーションが大事であるというのは、いろいろな局面で必ず話題になることです。
しかし、面白いことに、多くのかたは自分がコミュニケーション能力が低いとは思っていません。
そのため、意思疎通は改善せず、常にコミュニケーションは問題になり続けています。
ここでは、コミュニケーションをうまくとるための方法については書きません。
ただ重要なので、2点だけ指摘しておきたいと思います。
コミュニケーション能力の高さとは心のともなったテクニカルスキルの高さである
派遣会社とコミュニケーションがうまくとれていれば仕事もくる
ただ、これだけでは座りが悪い気もするので、ひとつだけ例を出します。
派遣会社の営業の話ですが、今のご時勢でも派遣スタッフの方からバレンタインのチョコレートやお中元、お歳暮、クリスマスカード、年賀状などたくさんもらう方はいるのです。
自画自賛で恐縮ですが、僕もわりと貰ったほうだと思います。
派遣スタッフの方から贈り物をいただくたびに、僕はその心をいただいたといつも思っていました。
その方の思いが伝わってきて、いたたまれない気持ちになってしまうのでした。
それが、どんなに安いものであったとしてもです。
今でも覚えていますが、ある外資企業にスタッフの方と職場見学に行った時のことです。
そこの経理部長は、非常に癖にある方でしたので、スタッフに対して感じの悪い、意地悪な質問もありました。
スタッフにお詫びをしなければと思いながら、外にでると雨が降り出していました。
すると彼女は突然、近くのコンビニに駆け込んで、何と僕のためにしっかりした傘を買ってくれたのです。
彼女はプライドが高く、自己主張もしっかりするし、時給と仕事に妥協しない方だったので、これは本当に驚きました。
もちろん傘の代金は受け取ってくれませんでした。
派遣会社には、スタッフから贈り物とか年賀状とかを貰う営業と全く貰えない営業がいます。
もちろん、贈り物を断っているだけかもしれません。
ただ、派遣会社は営利企業ではありますが、スタッフのために本気で仕事を探そうとしている営業もいることは知っておいていただきたいと思います。
*念のためですが、営業に贈り物をして仕事を紹介してもらえと言っているのではありません。
紹介が来ない時の対応法と派遣会社側の事情
派遣会社から仕事を紹介してもらえない時の対応法として、ほとんどの派遣会社では、他の派遣会社への複数登録を勧めています。
確かに、地方にいくと派遣会社ごとの得意分野が分かれるかもしれませんので、一理あるような気もしてきます。
しかし、僕にはそれは、派遣会社からの体のよい断りであると思えます。
つまり、何らかの理由で、あなたはその派遣会社のブラックリスト、もしくはブラックリスト予備軍に入ってしまったのです。
派遣業界のなかで統一したブラックリストというものはありません。
そのため、他の派遣会社に行って欲しいのです。
何らかの理由のうちわけですが、職歴が細かすぎて紹介できないとか、年齢とか、契約期間を守らなかったとか、勤怠が悪かったとか、電話での態度が横柄で怖いとか、いろいろあります。
しかし、中には、本当に職場環境が悪かったり、ハラスメントにあったりとかやむを得ない状況で契約期間をまっとう出来なかった場合もあります。
こうした勤務評価ですが、ほとんどの派遣会社は営業の判断で記録されてしまうので、一方的な理由で処理されている場合も多いと考えられます。
この場合、派遣会社は、あなたという大事な資源を失ってしまうことになります。
そして、他社への登録を勧められ、その他社が紹介した案件で、本来、派遣できたポジションを失ったりしているのです。
ちなみに、僕は、逆のパターンで成約した案件がたくさんあります。
スタッフが別の派遣会社に問い合わせて断わられたとか、年齢で登録すら出来なかったとか言われた案件に紹介して、しばしば成約していました。
僕の常套手段といっていいぐらいのレベルです。
そのライバル会社の営業は案件を受けて、現在、スタッフ不足であることとか、企業の条件が厳しいので紹介できそうもないという事を理路整然と話したりしていたので、滑稽ですらありました。
派遣会社全般に言えることですが、派遣会社は、もっとスタッフの評価を客観的に出来る体制を築くべきだと思います。
派遣会社はどこでも、登録スタッフの増加に一生懸命です。
しかし、例えは悪いかもしれませんが、二毛作型の集約農業の発想が必要だと思います。
つまり、眠っているスタッフとか悪い評価をしてしまったために仕事を紹介できないスタッフの実態を本当にその評価通りなのか、しっかりと調べるべきなのです。
この点において、派遣の仕事の紹介をしてくれないのは、派遣会社側の管理にも大いに問題があると言えます。
レッテル張りとは今や政治的な言葉ですが、便利なだけに失うものも多いということを肝に銘じるべきでしょう。
派遣会社があなたに、他の派遣会社にも登録を勧めているのには、こうした背景があります。
決して、あなただけの責任ではありません。
P.S. 最近、「人材派遣のおもしろ話」の記事が多くなってきました。
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20180920 by okkochaan