国際刑事裁判所

ヤフーニュースによりますと、拉致問題について被害者や特定失踪者の家族らが国際刑事裁判所(ICC)に申し立てるとのことです。

 

北朝鮮による日本人拉致は、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長による「人道に対する犯罪」だとして、拉致被害者や、拉致の可能性が排除できない「特定失踪者」の家族らがオランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)に、金氏の責任追及や処罰に向けた捜査などに着手するよう申し立てることが18日、分かった。日本人拉致に絡むICCへの申し立ては初。拉致問題解決に向けた外交交渉が膠着(こうちゃく)状態に陥る中、国際司法当局に働きかけることで問題解決をアピールする狙いがある。

 

当ブログでも拉致問題については、これまでいくつか記事を書いてきましたが、横田夫妻が高齢ながらトランプ大統領にお願いしたり、最近ではこれ以上まてないと何度もおっしゃっています。

 

拉致被害にあってから40年、これがきっかけで解決することを願っています。

 

一方で、どうして国際刑事裁判所への申し立てをしなかったのか、遅すぎるではないかという声も多くあります。

 

また国際刑事裁判所にある問題点とかアメリカ、中国などが参加国でないこと、国際刑事裁判所で活躍している日本人のことにも簡単に触れたいと思います。

 

 

【国際刑事裁判所は何ができるか】

 

国際刑事裁判所はオランダのハーグにあるのですが、国際刑事裁判所とは何かについてはここでは書きません。

 

ただWikipediaにはその成り立ちから詳しい記述がありますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

拉致問題には実際にもう時間がないので、ずばり、国際刑事裁判所は何ができるのかを拉致問題のケースをにらみながら書きます。

 

これまでも12か国に及ぶ拉致被害者がいることから北朝鮮の人権状況を調べる国連特別報告者や国連人権理事会はこれまでに、ICCによる捜査・訴追を提言してきたそうです。

 

ということは、ICCはこれまで対応したことがないことになりますが、国際刑事裁判所はあくまで個人を対象とした案件を扱っているので、国家間の問題としてばかりとらえていたことが盲点だったのかもしれません。

 

つまり、今回の告発は、金正恩氏個人に向けているもので、正恩氏が、拉致問題を解決しえる地位にありながら何もしなかった不作為に対して訴えているのです。

 

拉致問題は明らかに人権に対する重大な侵害ですが、金正恩氏個人を対象とすることで新たな展開、もしくはプレッシャーになることを願っています。

 

ちなみに、ICCの規定では、下記のように公的資格の無関係性を明記しています。

 

公的資格の無関係性)国際刑事裁判所規程は、その公的資格に関りなく、すべての者に平等に適用される。国家元首や議員、公務員であっても、規程に基づく刑事責任から免除されない。

 

【国際刑事裁判所の問題点】

 

国際刑事裁判所の実績としては、大統領や元大統領とか国家閣僚の逮捕状をとったり実績をあげてきていますが、実は大きな問題点があります。

 

それは、素人意見になってしまいますが、最近の例でいえば核兵器禁止条約に日本が署名しなかったことや、国連がアメリカ、中国、ロシアなどの大国とのパワーバランスで今一つ力が持てないことと似ています。

 

日本は国際刑事裁判所には2007年に加入国となっていますが、もしその問題が今あったとすれば核兵器禁止条約と同じように加入しないかもしれません。

 

重大な人権侵害を犯した個人を国を超えて刑事訴求するという点では、問題ないように思えますが、それぞれの国の事情があり歩調をあわせるのに問題があるようです。

 

いずれは、この問題もクリアー出来ればと思っています。

 

【国際刑事裁判所はアメリカ・中国は加入国ではない】

 

やはりアメリカが加入国でないことでは大きな問題です。もちろん、これはトランプ政権のせいではありません。

 

また中国も加入していません。

 

アメリカは国際刑事裁判所の規定を作ったり準備段階では熱心にやっていたようですが、当時、世界の警察をみずから任じ行動していたので、アメリカ軍人が自国の法律でなく国際法で裁かれることに抵抗があったといわれています。

 

まずは、アメリカが国連を尊重し、重要事項の決議にさいしては国際社会の平和と安定を重視した決断をしていくことが、僕は重要だと思っています。

 

【国際刑事裁判所で活躍する日本人の女性たち】

 

このところ国際関係で問題がある日本ですが、特に日本女性の国際的な場面での平和活動での活躍はすばらしいと思います。

 

ノーベル平和賞を受賞した ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)での被爆者のサーロー節子さんもそうですが、国際刑事裁判所でも日本女性が裁判官として活躍しているのは、大変誇らしいことです。

 

齋賀富美子さんは、初めての日本のICC裁判官候補としてトップ当選を果たしています。

 

残念なことに齋賀富美子さんは在任中の2009年4月に急病で亡くなりましたが、同年11月の補欠選挙で尾崎久仁子さんが当選され活躍なさっています。

 

 

【最後に】

 

拉致問題が刑事事件として個人を対象として逮捕もできるというのは、全く盲点だった気がします。

 

どうして日本はこれまで何もしなかったのかとネットでも日本政府の不作為に不満の声が多数あがっています。

 

人間、必死で取り組み、必死で考え、協力し合い、対話をしていくことで、必ず問題を乗り越えていけると僕は信じています。

 

願わくば早急の電撃的な解決があればと心から願っています。

 

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20180119 by okkochaan