河田剛

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日大アメフト部のラフプレー事件は想像以上に大きな事件となっています。

 

しかし、多くの日本の問題と同じように、問題の本質が語られることは少ない印象で日大を叩いて一人悪者にして終結させようという動きもあります。

 

そうした中で、現在アメリカのスタンフォード大学のアメフト部で唯一の日本人コーチである河田剛さんの意見は、この問題の本質をついた意見だと思いました。

 

ここでは、その内容を簡単に紹介し、今後僕たちが考えていくべき問題の本質は何かを探りたいと思います。

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なぜ日大アメフト部のラフプレー事件がこれほど問題となっているか

そもそも、日大アメフト部のラフプレー事件は、どうしてこれほど問題となっているのでしょうか。

 

この問題は時間と共に鎮火していく様子もなく、あたかもカルフォルニアの山火事のようにますます火勢が強くなっています。

 

なかには、現在の安倍政権のかかえる森友・加計問題と同じだという意見もありますが、僕も本質的な部分では共通するものがあると思います。

 

森友・加計問題を配役とか舞台を変えての代理戦争的なものとしてとらえているのかもしれません。

 

この場合の配役は以下のようになるのでしょうか。

 

安倍首相および昭恵夫人 → 内田前監督

柳瀬前首相補佐官および佐川前国税庁長官 → 井上コーチ

籠池氏および愛媛県の中村知事 → 宮川選手

 

もちろん、政治に比べれば日大アメフト部のラフプレー事件は、かなり単純化されたものであり、財務省の存在などは無視せざるを得ないのですが、にもかかわらず国民の多くは、共通な匂いを感じている点が重要なのです。

 

この共通な匂いというのは、決して論理的な整合性をもっている必要はありません。

 

その匂いとは、どうも嘘をついているのではないか?という疑いです。

 

日大アメフト部の内田前監督、井上コーチについては、限りなく100%近くのかたが信じておらず、一方で宮川選手が若干20歳でありながら堂々と記者会見をし、かつ詳細を具体的に語った点で勝負あったと誰もが思っていますが、日大側は今もって直接の指示をしていないという立場を崩していません。

 

これが、より国民一般の感情を刺激し、逆効果になっていて危機管理能力も問われているという状態です。

 

僕が、ぼんやりと思うのは、ここ1年以上、すっきりと腑に落ちる説明がないまま、政府側の答弁を覆す資料が続々と出てきている安倍内閣へのモヤモヤっとした気持ちが、日大アメフト部の事件が出てきて、ちょっとスカッとしたというところではないかと思います。






だが問題の本質は誰も論じない

北朝鮮が先代の金正日総書記だったころ、何の競技だったか細部は忘れましたが、オリンピックで北の選手と仲良くなった日本の女子選手の記事を思い出しました。

 

それは、同じ競技にかけているという意味で共通項があるわけですが、友情としてはごく普通の付き合いをしていたそうです。

 

それが北の選手が優勝するか(記憶があいまいですが)とにかく入賞したときに、不意にあまりの違いに愕然としてという内容でした。

 

その北の選手は、なんと「金正日総書記万歳」という意味の叫びをしたのでした。

 

これは、当時ちょっと話題になったかと思うのですが、その時、多くの日本人が感じたのは、「自分は北朝鮮に生まれなくて良かった」ではないでしょうか。

 

自分たちは民主主義の国、日本に生まれて本当に良かったと心底思ったに違いないのです。

 

いまでも、こうした思いは多くの日本人が抱いているし、僕だって例外ではないですが、はたしてそうでしょうか?

 

北朝鮮では個人の自由というものがなく、日本は民主主義国家だから自分がその競技をやるのも自分の意思だし、北朝鮮とは違うという思いばかり強調されましたが、それは、金持ちに生まれた人が貧乏な家に生まれた人を憐れむ以上のものとして問題にされたでしょうか。

 

結局、この日大アメフト部の問題の本質は日本を支配する体育会的なものにたいする過剰評価だとか、大組織の隠蔽体質の問題だとか、スポーツとかに秀でた人は勉強などしなくていいとかいうことが勝手な理屈にすぎないということが問題になっていないことなのではないでしょうか。

 

つまり、日本人が北朝鮮に生まれなくて良かったと思うのは、もしかしたらどんぐりの背比べに等しく、日本人も十分に不自由に生きているという自覚をもてるかどうかが、この問題の本質だと僕は考えます。

 

それは、あらゆる分野に浸透している問題です。

 

僕が、これまでブログに書いた内容だけ言っても、例えば残業とか違法残業の問題、つまりブラック企業の問題なども表面的な議論しかされていない気がしてならないのです。

 

残業の問題については、テクニカルな手法として法律を厳しくしたり現罰規定を設けたりする必要があるかもしれませんが、あたかも残業をさせる企業が一方的に悪いので、規制を強化しなければならないとするだけでは、全く不十分だし片手落ちの議論になるのではないかと思っています。

 

なぜなら、残業についても、多くの日本人がいまだに、どこかに評価されることへの期待とかを労働者本人も管理者も経営者も持っているからです。

 

河田剛さんの意見をまずは聞いてみよう

河田剛さんはスタンフォード大学のアメフト部でのコーチをなさっていますが、そのコーチになるきっかけは、なんとも日本的な飛び込み営業とほとんど押しかけ女房よろしく居座って、そこで、メンバーとか対戦相手の戦力分析などの徹底管理を手掛け、実際にそれで勝率を上げる効果をだしたというものです。

 

そして、自分がいなくなった時にこそチャンスが来ると考えて、日本に一時帰国したときに、選手たちからいろんな問い合わせがくる状態を作りあげたのです。

 

アメリカでのアメフト部は興行として十分すぎるほど成り立っており、オープンな環境とか練習時間も厳格にルール化されること、選手の学費は免除されているが、必ず選手はスポンサーあてに手紙を書くなどしていることなど、まさに日本では、目から鱗が落ちるようなことばかり書いてあります。

 

もちろん、アメリカでも健康保険が機能していないため、救急車に乗るにも「乗りますか?」と聞かれるような信じがたい問題があります。

 

この場合の「乗りますか?」の意味は、お金が払えますかという意味なのです。

 

このように、アメリカ社会にももちろん、改善すべき点は多々あると思います。

 

しかし、現在のこのモヤーとした閉塞感をまずは取り除くためには、少しアメリカかぶれするぐらいが必要かもしれないと思いました。

 

参考記事:

「日大・危険タックル、アメリカでは3日でケリがつく」。スタンフォード大のアメフトコーチの見解は?

 

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20180529 by okkochaan