パート 労災

変な言い方ですが、まっとうな企業でサラリーマンとして働いてきた人は、就業中とか通勤途上での事故があった場合に、当然、労災保険が受けられると思っていると思います。

 

 

しかし、残念ながら、世の中一般では、労災保険も当然あるとは思わない方がよいと思います。

 

 

これは高齢労働者に限らず、パートで働く方は労災にあってもきちんと対応してもらえない事例の紹介です。

 

 

特に65歳以上の高齢労働者高齢労働者は増えているので、パートで働いての労災にかかる問題をさけて欲しいために書きました。

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パートで働く高齢労働者が労災手続きを妨害された事例

今野晴貴氏の「使い潰される」高齢労働者 多発する労災、人生を変える悲惨な実情
という記事を読むと、驚くべき事例が紹介されています。

 

以下、かいつまんで事例を紹介します。

 

 

69歳のパート労働者で清掃の仕事をしていた女性の方が、就業中に階段から転落して、大けがをした。

雇用されていたビルメンテナンス会社へ労災事故に遭ってしまったことを伝えた際に、会社から「労災ではなく、民間保険でやるから大丈夫」と言われた。

その後、彼女の状態が悪いために、言い逃れできないと覚った会社は、治療費についての給付手続き(療養補償給付)をした。

しかし、休業補償給付については、3か月も放置されたうえに、社長から家族に「なんで私がやらなきゃいけないの!」などと電話で怒鳴られた。

その後、会社は入院中の彼女に対し、退職するように勧告してきた

 

 

ちなみに、労災の保険給付金は以下の場合に支払われたり給付されたりします。

*こんなものがあるんだと、知っておきましょう。

療養補償給付(けがや病気の治療を行ったときに支払われるもの)
休業補償給付(けがや病気の療養のために休業したときに支払われるもの)
傷病補償年金(療養により治癒しない場合に給付されるもの)
障害補償給付(障害が残った場合に給付されるもの)
介護補償給付(介護が必要になった場合に給付されるもの)
遺族補償給付、遺族補償年金、葬祭料(死亡した場合に給付されるもの)
二次健康診断等給付(脳や心臓に異常が生じた場合に給付されるもの)

 

また、傷病を理由に解雇することは、明白な労基法違反です。

 

会社が労災隠しをする理由

そもそも労働保険には、労災保険と雇用保険があり、事業所は加入義務があります。

 

 

しかし、なかには、労働保険そのものの手続きをしていない事業所だってないとは言えません。

 

 

少なくとも彼女の場合は、事業所が労災に加入はしており、労災があった事実を故意に隠そうとしました。

 

 

これを「労災隠し」と言います。

 

 

会社が労災隠しをするのは、悪い評判を広げたくないことや、安全管理の手落ちなどの理由で損害賠償を請求されたりするのが怖いからです。

 

 

しかし、より直接的な理由は、ズバリ、保険料の負担増を回避する為です。

 

労災保険の負担率は業種や履歴で異なる

労災保険は、事業主が100%支払っているので、普段あまり意識しないと思います。

 

労災保険の負担率は業種によっても違うし、履歴、つまり労災を受けた従業員がいるかいないかでも異なります。

 

 

さほど細分化もされてませんが、興味があれば「労災保険料負担率」と検索すると厚生労働省の該当記事が出てきます。

 

 

労災保険の料率は、労災を受けた履歴によって労災保険料率が変化します。

 

 

これを「労災保険料メリット制」と言います。

 

 

簡単に言えば、労災保険適用者がいなければ労災保険料は安くなり、いれば高くなるという制度です。

 

 

自動車を持ったことがある方ならわかると思いますが、自動車保険は無事故であれば段階的に安くなり、事故を起こすとまた振り出しに戻ったりしますね。

 

 

自損事故で軽微な場合、保険を使うか使わないかで、迷ったりしたことがあれば、なおわかりやすいと思います。

 

 

自腹を切って修理して、保険料は下げていくか、保険を使って保険料を上げてしまうか、どっちが得なの?というお財布事情も考えながら悩んだことがある方もいらっしゃるかと思います。

 

 

(ちなみに、僕が自損で車のトランクが開いたままになってしまった時に、保険会社はなんとか保険を使わないようにと努力されていましたが、50万ぐらいかかるので、僕は保険を使いました。どことはいいませんが、結構しつこかったです。)

 

 

さて、この労災保険料メリット制により、会社は彼女の労災があると出費がかさむので、「なんでワイが払わにゃあかんねん」となるわけです。

 

 

労災保険ブラック企業を避ける方法

この事例を僕は、労災保険ブラック企業と呼びますが、通常の案内だと社会保険完備とか書いてあるだけなので、実態はわかりづらいです。

 

 

もちろん、労災にあわないことがベストですが、注意しても交通事故のように避けられない場合があり得ます。

 

 

そんないざという場合のために、労災保険ブラック企業かどうかをチェックする方法を考えました。

 

 

ブラック企業一般と通じるところがあると思いますが、以下のような点をチェックしましょう。

 

1.人が頻繁に入れ替わっていないか

2.労働保険(労災保険と雇用保険)に加入しているか
(念のため確認をお勧めします。人を信じてはいけません。)

3.林業・農業で5人未満の事業所など保険適用外の事業所かどうか

4.業務上でケガをしたりしないか
(危険なことはないでしょうか?とか聞いておきましょう)

5.働いている人たちの表情が暗くないか
(これは直感に頼っていますが、意外と当たります)

 

特に家族の高齢者(お父さんお母さん)とか、こうしたことに無頓着である場合も考えられます。

 

 

その場合は、聞くようにアドバイスするかネット上の評判だけでも調べてあげるなどした方がいいと思います。

 

 

また仕事の様子などを、それとなく聞いてみましょう。

 

 

もし問題がある事業所に入ってしまったら、即やめることをお勧めします。

 

 

家族の方が、介護する場合に、労災保険が適用されるかどうかだけでも、大きな違いになるので、決して無関係なことではないのです。

 

 

また災害にあった本人が手続きが出来ない場合も多いので、その場合は、代理で手続きや会社と話をしたりしなければなりません。

 

 

不幸や不運は、ある日突然やってくるものですが、「あの時注意してみていればよかった」とだけは思わないように、やれることはやっておきましょう。

 

参考記事:

「使い潰される」高齢労働者 多発する労災、人生を変える悲惨な実情(今野晴貴) – 個人 – Yahoo!ニュース

高年齢労働者の活躍促進のための 安全衛生対策 – 厚生労働省

 

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20181223 by okkochaan