教員の9割が残業代が欲しいと思っているという調査結果が発表されました。
僕は、不覚にも公立学校の先生に実質上、残業代がないことを知りませんでした。
それって労基法違反じゃないの?と思ったのですが、特例法でしっかりと規定されているんですね。
公立学校の先生に残業代がないことと、それに対して9割が不満を持っていること、
しかし、事態は当面変わりそうもないこと、このあたりに問題がありそうですね。
公立の先生の給料
しかし、残業代がつかない=蟹工船の搾取された労働者というわけでもありません。
つまり、公平にいって、公立の先生の給料は安いとは言えないからです。
その上、民間ではなかなか考えられないことですが、
年功序列で給料はあがっていく仕組みになっています。
民間で給料があがったり出世したりするパワーにはかなわないかもしれませんが、
民間の場合はその地位にいることによるリスクも上がるのです。
特に民間の中小企業で働いている方は実感としてそう思うのではないでしょうか。
また公立学校の先生になるということは、
公務員でもあるわけで、
社会的信用がある職業と言えます。
これは給料以外のメリットと言えます。
9割も不満があるのに変わらない異常さ
教員の9割「残業代ほしい」 若手に顕著 教員の「意識」に迫る(内田良) – Y!ニュース https://t.co/gJgWs7JLM7
— 新鋭ブロガーおっこ (@bloggerokko2017) 2018年10月29日
それにしても、9割の先生が残業代はつけるべきだと考えていますが、
その根拠はどこにあるのでしょうか。
9割の先生が考えていることが、実現されないとは、
どうしても腑に落ちません。
先生も聖職者ではなく、一人の人間として、
お金もいるし、休日も必要です。
従って、残業代は支払うべきだと考えるのは
当然だと思います。
それが実現されない状態が続く、つまり
納得感が得られないまま、
現状を受け入れている心的状態が不安です。
これが、子供たちに、微妙に影響を与えないでしょうか。
なぜなら、この調査結果は、先生たちが普通の人間であり、
残業代も欲しいと考えていることを
示しているからです。
しかも、特例法の成立経緯をみると、
先生からの残業代支払い請求裁判が
直接の原因になっているのです。
それまでは、先生も一般の労働者同様、
労基法通りの対応が求められていました。
実はこの調査は年代別でも数字をとっていて、
20代30代と年齢があがるほどに、
残業代はつけるべきでないと考えている方が
多いようです。
ちなみに、20代と50代では30%も違いがあります。
これは世代間の違いもあるとは思うのですが、
実際上の問題として、年齢があがるほど、
残業をしなくてもいい体制が出来ている要因もあるような気がします。
つまり、「若いうちの苦労は買ってでもしろ」
という文化があるのではないでしょうか。
また同様に、紙ベースの管理もそのままだろうし、
いまふと思い出したのですが、
黒い表紙の出席簿なんて今もあるのかもしれないと思ったりします。
それとサービス残業の多さは残業代がつかないからとも言えます。
お金は貰わないのだから働いていいはずだ、という考え方です。
でも、これって、僕が知る限りでは最悪の状態です。
会社で働いていた時に、残業代はいらないから、
会社にいさせてくれと真面目に言った人を思い出しました。
こういう方は、経験上の判断ですが、ほぼ例外なく
仕事ができません。
まとめ
僕自身が、学校にも先生にもあまり良い思い出がないために、
もしかすると記事が否定的になってしまったかもしれません。
ただ、この問題はいろんなことがごっちゃまぜになっていて、
非常に解決が困難な気がしています。
家のような田舎だと、公立の先生になるには、
コネがないと採用試験を通るのは難しいし、
市役所だってそうです。
つまり先生や役所の職員は人生の勝ち組なのです。
良い先生とか良い役所の職員がいることは、
わかっているのですが、常にその立場からくる
限界を僕は意識してしまいます。
この件、特例法で決まっているのであれば、
残業代はあきらめるしかないし、時間を最大に
効率化して、残業は極力やらないしかないと
思います。
ただ考えてみると、学校の先生というのは、
一生を学校で送るようなものです。
その上、公務員なので副業もできないわけで、
いろんなストレスが溜まりやすいかもしれないと
思っています。
ただ派遣会社の見方からすると、先生出身の方は、
派遣社員としては使えない方が多かったです。
生徒に対する会話には慣れているのですが、
一般企業でのコミュニケーションをうまくとれず
それが障害になる場合が多かったからです。
もちろんたまたまだとは思います。
参考記事:教員の9割「残業代ほしい」 若手に顕著 教員の「意識」に迫る
20181029 by okkochaan