バラ園

こんにちは、おっこちゃんです。

 

このブログはシニアというものへの理解を深めることと、シニアの生きがい
を考えたり、シニアがらみのビジネスなども発見できればいいと思って
書いています。

 

早速ですが、今日はシニアリセットという題目で書こうと思います。

 

赤川次郎さんの短編小説で、「長距離電話」という作品があります。


 

山の中で車が故障してしまった40歳ぐらいの男性が、やむを得ず
歩きはじめたところ電話ボックスを見つけました。
不思議な感じはしたものの、昔近くに住んでいた高校の同級生に
電話をしたところ、意外にも出たのは22年前の同級生だった、
というタイムスリップ的な話が、軽いタッチで描かれています。

 

そして、実際に彼は22年前にタイムススリップしリセットができる
状況になり、リセットしてやり直せば現在の人生への不満も解消
されると喜びます。

 

しかし、もしそうなった場合、現在の妻とも出会わず、子供もも
誕生しないということに思いがいたり、「なんてことだ、自分は
自分の愛する子供まで否定しようとしていた!」と気づき、
またもとに戻るという、短編ながら印象に残る作品です。

 

さて、シニアを考えるときに、この過去へのリセット、もしやり直せたら
何歳の時に戻りたいかというのは、とても興味があるテーマです。

 

ある調査によれば、すくなくとも半数以上のシニアの方が現在の
状況に満足していると答えています。

 

これはシニアを対象としたビジネスを分散させ困難にする理由の
ひとつでもあります。

 

まず、満足している方には、No needs No salesで、売り込みが
難しいわけです。

 

満足している方に対し、「あなたは、現在の生活に満足してますか?
もっとリッチだったり、のんびりノマドライフをしたいとか思いませんか?」
という問いを出しても、半分の方は興味を示さないということになります。

 

シニア層はこれからますます増加の一途をたどることは見えていますが、
なかなかこれといったビジネスが出てこない原因を整理すると、
以下のようになるのではないかと思います。

 

1.現状に満足している

2.範囲が広範でありターゲットが絞りずらい

3.貯蓄を大事にする傾向が強い

4.貧困層も増えている

 

以上から現状は手探りでいろいろやってみるとか、小さな成功を
積み重ねるとかしかないかなと感じています。

 

その中で、僕が注目したいのは、1.の現状に満足している
という点についてです。

 

1.の満足しているの半数は、実際のところ、もっと突っ込んだ、
深層心理にまで入り込んでの回答とは到底思えないことと、
ほとんどの人間は満足などできないように創られていると信じています。

 

また何かを変えたい、自分が変わりたいというような、一見若々しい
情動については、決して若い世代に多いとは限りません。

 

むしろ時間が少ないと感じれば感じるほど、生きているうちに
成し遂げたいという思いは継続的な強さを保つのは難しいかも
しれませんが、強弱の個人差はあっても、むしろ時間を無限に
あると感じる若い世代より強くあるのではないでしょうか。

 

よく言われるシニアは話が長いとか前回書いたSNSでの炎上とかは
全部つながっている事象です。

 

自分がやりたくて出来ないことを、全く別の手法からできるようにする
という発想は古くからあります。

 

それは、タイムスリップ、すなわち、自分が若いときのある時代に戻り、
やり直したいという願望です。

 

そしてふたたび赤川次郎さんの小説に戻るのですが、読者のみなさんは
自分が過去に戻ってやり直せるとしたら、何歳に戻りたいでしょうか?


 

このような調査があるかどうかは、わからないのですが、僕はここに
ビジネスのおおきなヒントが隠されていると思っています。

 

つまり、ここにこそシニアのリセットの本質があるのです。

 

また、毎朝、見慣れた景色や人を初めて見るかのように偏見もなく
みられるということが困難な理由も実はここにあります。

 

多くの人は過去を引きずって生きているし、たとえ、意識に
あがってこなくても、自分にも秘密にしているぐらいのレベルで、
願望が隠されています。

 

夢は常に見ているわけですが、朝起きて覚えていないことのほうが
多く、しかし、かすかな夢の記憶が、新鮮な眼で起きてみる世界を
初めて見るかのように観ることを妨げてしまうのです。

 

そして、それは多くの場合、自分が過去にできなかった箇所に
夢で立ち戻っているのです。

 

僕自身は、何歳の時に戻りたいかは、比較的はっきりしているし、
その理由もなぜそう考えるかも自分なりに把握しています。

 

僕の話が面白いかどうかは、わからないのですが、これは号外編として、
次回書いてみたいと思っています。

 

いまさらフロイトの夢判断を持ち出すまでもなく、見た夢が
無理な解釈ではなく、わかりやすい時が必ずあると思います。

 

そして、自分のリセットしたいものがどのあたりにあるのか、
それは何故なのかという問いをそれぞれの方が自分に
なげかけることにより、自分が本当にやりたいこと、
やるべきことを知ることこそ、本当の意味での生きることで
あるだろうと、おっこちゃんは思うのであります。

 

本日は以上です。

 

お読みいただきありがとうございました。