こんにちは、おっこちゃんです。

 

たしか、ストーカー規制法の対象にSNSも加えるという法案が参議院で可決され、衆院での成立見込みというニュースがあったと思いますが、今日はこれについて思うところを書きます。

 

 

ストーカー規制法がSNSを含める点と問題点

 

 

現行のストーカー規制法が禁じていることは、以下の8項目の「つきまとい行為」であり、これが繰り返された場合にストーカーとみなされます。

 

(1)つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居・勤務先・学校などの付近において見張りをしたり、そこへ押し掛けたりすること。
(2)行動を監視していると思わせるような事柄を告げること。
(3)面会・交際など、義務のない行為を要求すること。
(4)著しく粗野または乱暴な言動をすること。
(5)電話をかけて何も告げず、または拒まれたにもかかわらず、連続して電話をかけること。また、連続してファックスや電子メールを送信すること。
(6)汚物・動物の死体など、著しく不快で、嫌悪の情を催させるような物を送付すること。
(7)名誉を害する事柄を告げること。
(8)性的羞恥心を害する事柄を告げること。また、性的羞恥心を害する文書・図画などを送付すること。

 

このうち、(5)の電子メールにTwitter、Facebook、ブログなどのSNSが含まれていないと解されていたのですが、今回の立法でこれらも含まれると規定されること、また、罰則についても現在は6カ月以下の懲役か50万円以下の罰金と、この立法の背景にアイドルが襲われた被害の大きさを考えると、かなり軽い印象ですが、これを1年以下の懲役か100万円以下の罰金にするなど罰則も引き上げられる見込みのようです。

 

さらに、被害者が告訴をためらっていても起訴できるよう「非親告罪」への変更も盛り込んだ点は、評価できるかもしれないです。

 

しかし、一方で、合法的な営業、布教、労働争議、取材などを過度に規制する恐れも指摘されていて、このあたりの線引きはどうなんだろうと感じるのは私だけでしょうか。

このストーカー規制法の改正案については、参院で全会一致で可決されたということです。

 

僕がひっかかるのは、この法案は一見、誰がみてももっともだと思えるようなものだし、国民のほとんども希望している、むしろより厳しくして欲しいと願っているこの法案について、国会で十分な論議がつくされたのかという点なのです。

 

畑違いかもしれませんが、新商品開発の場において、優秀な経営者であれば会議の席で、全会一致で販売などの方針が決定したときに、まさにその全会一致の為に、その案はボツにするという経営者が厳として存在します。これは、誰もがいいと思うことなど、市場ではすでに飽和状態になっているであろうから新しいものがなく売れないだろうという冷静な判断に基づいてのことです。

 

つまりどのような良いと思われる法律であったとしても、法律は国民を守るため、社会のためでなければならず、それは少数の重要な活動について制限する可能性がある法案であれば、十分に審議すべきだし、少なくとも付帯決議などを出すだけの配慮や度量があるべきだと考えるからです。

 

今回、僕が調べた限りでは、全体にこのストーカー規制法に賛成する声しか聞こえてこず、野党も何もいわないように思いましたので、あえて書きました。

 

 

 

何故ストーカーは生まれるか?

 

 

この問題について、冷静に考えると、私たちは常に一見善意の隣人や全く見ず知らずの他人などからストーカー行為を受ける脅威にさらされています。

 

そして、これを防ぐために罰則をもってすることは法家の仕事であることも理解できます。

 

ストーカーの問題は日本だけではなく、世界的にも大きな問題となっているし、他国での対応もより厳しかったり、犯罪を犯した方の家の前に、そのことを貼ったりなど日本では考えられない厳しい対応例もあります。

 

ですが、この根本的な問題、すなわち、何故ストーカーは生まれるか?について、私たちは十分に考えて、予防策を講じることこそ最も重要ではないかと考えます。

 

つまり、ストーカー化してからでは、遅いと考えています。ストーカー化すれば、それはもはや正常の状態ではないわけなので、処方が出来ないように思われます。ストーカーは犯罪という認識の前で立ち止まる効果はあると思いますが、病巣を除去しなければ、根治はできないのです。

僕は、ストーカーになる素地がある方というのは、他の多くの犯罪者と同様に、育った家庭環境や学校教育にそれが育った要因があるのではないかと考えています。もちろん、ある条件がそろえば、すべての方が犯罪者になるわけではありません。しかし、犯罪者(この場合はストーカー)に共通の性格があり、その性格を醸成したもの、もしくは矯正できなかった状況などがあるのではないでしょうか。

 

特にストーカーの場合は、自分の願望(例えば好きになった女性と付き合いたいとか)がかなえられない為に、初めはちょっと待ち伏せをしてみたり、電話やメールをしてみたりしただけなのだと思います。

 

問題は、明らかに相手が嫌がっているのに、あきらめることをせず、つきまといをしつこくしてストーカーとなる、あるいは相手の周辺の人が妨害していると思いストーカーの対象が相手の周辺の人に及んだりする場合です。

 

さらにひどい場合は、なんらかの人とのつながりを求めて、見ず知らずの人につきまとったりするようになり、ここまでくればもはや異常といっていいと思います。

 

結局、ストーカーに共通しているのは社会性の欠如ではないでしょうか。となると、まずは家庭でのコミュニケーション不足だったり、なんでも我儘を許していたりとか、優等生でなければいけないという実質は親の愛情のない冷たい家庭だったりとかするように思います。

 

つまり、ストーカー防止のために最も重要な施策は、ストーカー規制法の強化ではなく、またその発露の場所としてのSNSを対象にするとかではなく、ストーカー行為を醸成してしまった家庭環境を見つめ直すとか、災害時にもそうですが、近所のコミュニケーションをはかるための施策であるとかではないでしょうか。

 

そして、そのようなストーカーが生まれるための温床を作ってしまった社会の問題を矯正するには、どうしたらいいのか、教育なのか金なのか、労働時間の短縮なのか、子を持つ親への教育を義務化することなのか、子供が育つ一定の期間を子供と過ごすようにして、そこでやるべきことを明確に示すこととか、こうしたことを最重要な問題として、考えていくことが重要だと思っています。

 

子供の情操教育、それは幼少期に始めるべきだし、その重要性に気づくために、親への教育も重要ではないかとおっこちゃんは考えるしだいです。

 

ありがとうございました。

 

20161201 by okkochaan