新規開拓をする営業の場合、テレアポをして訪問し、オーダーをとるのが仕事と思っていませんか?
あるいは、とにかく会わないといけないみたいに思っている場合も多い気がします。
また世の中の営業の方が、よほどテレアポに苦痛を感じ、ひどい場合は、アポイントが取れることがゴールにすらなっているように思えます。
しかし、人材派遣の営業の場合、派遣の依頼を受けるのはスタートにすぎません。
むしろ、その後に要望にそったスタッフを派遣できるかどうかの方がポイントなのです。
ここがちぐはぐになっていて、ボタンの掛け違いをしてしまうと、無駄が生じます。
どうしたら、その無駄を防ぐかと考えたときに、リスト作成からコールし、見込み客を絞り込むプロセスを理解し、手順に従った行動をすることが重要になると思います。
この記事は、「人材派遣の営業が楽しみながらテレアポをして成果もあげてしまう方法」の続編になります。
ただ、ここでは、必殺の営業手法について書いてあるので、お読みになる順番はどちらからでもかまいません。
アポイントやオーダー獲得は絶対に焦らない
前の記事の最後に、いつのまにかお客様作戦についてちょっと触れました。
ここでは、この作戦の具体的な方法について書きます。
リストに従って見込み客を絞り込んでいくのですが、何をもって見込み客と判断するかというと、「いつのまにかお客様」という感覚を相互に持つ状態になっているかどうかで判断します。
具体的な判断基準は、電話やメールをいつでもかけられて、気軽にやり取りが出来る関係に達しているかどうかです。
また、どのくらいの数の見込み客が必要かの判断は、あなたの置かれた状況により変化させます。
あえて数を出すと、あなたの仕事が新規営業のみであれば、100社、既存客を中心とした営業であれば10社ぐらいが適当かなと思います。
この基準値はそれぞれで決めますが、いったん基準値を決めたら、その数値を下回ったら補強するようにします。
そして、あなたはアポイントを取って会わないでいても、このレベルまで達することは十分可能です。
むしろ、アポイントとかオーダー獲得は絶対に焦らず、相手がどうして営業しないのかなと不思議に思うぐらいまで放っておくのが、この作戦のポイントです。
なぜアポイントやオーダー獲得をしないのか
僕は実際に営業をしていた時、こうした見込み客を常に持つことを意識していましたし、実際に持っていました。
それは、生命保険の営業の方から、身内や友達に保険加入をお願いするのは、最後の最後まで取っておくという話を聞いたことがヒントになっています。
それだけでは、単に営業として会社への義務を果たしていないように思われると思いますが、そこには、派遣業界特有の理由があるのです。
せっかく築いた信頼関係のようなものを花開かせるには、依頼を貰ったら絶対にしっかりと派遣しなければなりません。
もし、適切なスタッフ選出に不安があるのであれば、あえてこちらからリスクを取るべきではありません。
それに、取引したことのない派遣会社に対しては、通常、何社かに相談しても派遣してもらえないような難しい依頼である場合が多いのです。
実際に僕は、毎日熱心にくる営業についての対策を顧客から相談されたときに、「一番難しい依頼を出してみてください」とアドバイスしていました。
なので、新規の派遣依頼をあえてこちらから取りに行く必要は全くないというのが理由です。
たとえば、見込み客がほとんど派遣の利用をしていないような場合は、依頼を貰わずに、他社に先に派遣してもらって様子をみます。
そして、初めての場合、その派遣で問題が生じる確率はかなり高いと言えます。
その時、あなたと見込み客の関係が、片思いでないならば、直接の利害関係はないけれども、まめに情報提供をしてくれるあなたに必ず相談がきます。
あなたは、この段階であっても、絶対にこちらから派遣の依頼を貰ったりはしないでください。
しかし、見込み客から依頼があれば、やむを得ません。
矛盾するようですが、この場合は、決して断わらないでください。
見込客は、この売り込みをしないあなたに相談ベースでの依頼をしているのです。
これによって、あなたは、その見込み客との間にスタート時点で、他社とは違った特別な関係を築くことが出来るのです。
そして、見込み客はあなたを頼りにし、何かあれば必ずあなたに相談するようになります。
そうすると、あなたは、あなたのペースであなたの思ったような色にその見込み客を染めることが出来るようになります。
これが、いつのまにかお客様作戦の全貌であり、あなたはアポイントを取って見込み客に会うことなく、ここまでは持ってくることが出来ます。
あなたが初めてその見込み客と会うときは、どのようになるでしょうか。
それは、あたかも古い懐かしい友人に会ったような感じかもしれず、また、そもそも見込客が初めて会ったことがないことに気づき、驚くかもしれません。
新規開拓の営業がテレアポと並行してやるべきこと
いつのまにかお客様作戦は、必殺の人たらし営業と言えます。
それが、どうしてテレアポだけで可能なのか、具体的に解説します。
テレアポ時のポイント
テレアポなのに矛盾するようですが、決してアポイントは取りません。
話す速度は相手のスピードに合わせ、マナーは守りながらも、出来るだけくだけた話し方をします。
たとえば、
「人材派遣をやっているんですが、私は個人的に業界情報とか旬な人事情報をメルマガで提供させていただいています。もしよかったら、1通送りますので、ちょっとしたすきま時間にでも見て貰えないでしょうか。内容がつまらなくて価値がないと思ったら、1行だけ、いらないと返信していただければかまいません。」
と言った感じで話します。
あなたが売り込みをするのは、メルマガの購読だけであり、しかも気に入らなければ、すぐに解除できることをしっかりと話します。
これによって、あなたは比較的簡単に担当者のメールアドレスを手に入れることができます。
そして、そのメルマガの内容は、読みやすくて面白く、あまり聞いたことがないような話題を盛り込んでいなければなりません。
ところで、初めて送るメルマガのポイントは、読みやすく、かつ、けっこうどうでもいいような軽い話題にすることです。
その内容で、相手がメルマガ購読を受け入れてくれたら、ウィークリーで送るだけです。
また、返事がなかったり、いらないの返事が来た場合は、再度電話してこう言います。
ここは、真面目そのもので丁重に話します。
「大変失礼いたしました。ちょっとサンプルとしては適切でなかったかもしれません。不躾ではございますが、別なものをもう一度、送らせていただけないでしょうか。」
そして、次に送るメールは、いかにも人事向きの堅めな内容の記事にします。
この2種類の記事をあらかじめ用意しておくのは、言うまでもありません。
初めのメールも、数種類用意し、トライアンドエラーの実験対象にすると更に良いと思います。
こうして、あなたは、当面は、単純にメルマガ読者を増やすことに力を注ぎます。
このメルマガ読者へのメールですが、最低でも1週間に一回は送るようにしましょう。
内容は、決して堅苦しくない、どちらかというと派遣業界の裏事情とか、人材マーケットのからくりとか、担当者があまりなじみのないものにすると重宝されるはずです。
リストは、既存客と見込み客を含めて200社もあれば、あなたは毎週、一気に200社にセールスをしていることになります。
あなたの会社が顧客向けのイベントを行うときは、その情報も送りますが、それはあくまで例外あつかいとします。
あなたのメルマガは、あなたしか書けない内容でなければならないからです。
こうして、あなたは、メルマガの返事で感想を貰ったり、質問を貰ったりするようになります。
残念なことに、この段階でメールで派遣依頼を貰ってしまうかもしれませんが、その時は、あきらめて絶対に断らずに対応します。
また時には電話をして、メルマガで書いたことの感想を直接聞いてみたりするのも良いでしょうし、まだあまり親しくない状況であっても、電話をして感想をお伺いするという口実ができるわけです。
こうした地道な努力を継続することにより、あなたは会社を一歩も出ずに、見込み客との強い関係を築くことが出来るのです。
メルマガを継続する自信がない場合
なお、このメルマガですが、どのような内容にすればよいのか、ネタ探しはどうすればいいかなど、もう少し説明した方が良いと思います。
というのは、せっかく初めても、2~3回で終わってしまう可能性が高いと思うからです。
継続できない理由は、書けないからだろうし、書けない理由は何を書けばよいかわからないからだと思います。
これは、非常にもったいないことなので、次回はメルマガの記事内容はどうすればよいのか、ネタ探しはどうすればよいのか、さらにメルマガの2次利用、3次利用の方法について書きます。
追記:続編はこちらになります。
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20190127 by okkochaan