ワースト5冠の茨城県にある筑波山

 

茨城県が魅力度ランキング2017で魅力度ワースト5冠を達成しました。

 

 

初めに素性を明かすと僕は生粋の茨城県人です。つまり、両親も茨城県人でそれぞれの家も長く茨城にあり、僕が確認しただけでも両家とも天保年間からのお墓があります。

 

 

僕は茨城県および茨城県人を心から愛しているので、おそらくこの栄冠を得ることができた決定的な理由もわかります。

 

 

今年の初め、高校時代の同級生と年一回恒例になっている飲み会でも4冠の話題がでて、おおかたの意見は僕の予想通りであり、世間でも言われているものでしたが、今回は調査項目も見ながら僕が考える5冠達成の理由を検証してみたいと思います。

 

 

【調査内容の概略】

 

この調査は、「地域ブランド調査2017」といい、株式会社ブランド総合研究所が年1回実施している調査で、2006年にスタートし、今回が第12回目だそうです。

 

 

ブランド総合研究所は、地域ブランドおよび企業ブランドの研究とコンサルティングを行う専門企業として、2005年11月に設立。ブランド戦略の理解・普及活動、戦略立案などを担当するほか、ブランド力を高めるためのPR、調査、テストマーケティング、コンサルティング、商標管理などの専門業務を行っているとのことです。

 

 

つまりこの都道府県人気ランキングも地方の活性化へのアドバイスのために行っているリサーチのようです。

 

(けっして茨城県をおとしめるためにやっているのではないことを念のために言っておきます。)

 

 

調査内容の方法を確認するためにホームページを見ていたら、面白いものを発見しました。

 

 

それは、2010年に行った、ふるさとへの【愛着度ランキング】および【自慢度ランキング】というものがあるのですが、なんと茨城県は両方とも47都道府県中46位なんですね。

 

 

ちなみに最下位はともに埼玉県となっています。

 

 

逆に上位には北海道や京都など人気度ランキングと同じように高く、おおむね重なっている印象ですが、東京都のように人気度は高いけれども愛着度が低いところもありました。

 

 

茨城県は人気度ランキングで2012年以外はすべて最下位なので、これでみると、外側からの人気もなく、茨城県をふるさととする人の愛着もなく自慢するものもないという、これだけ聞くと救いようのない絶望感、無力感とかしか伝わってきません。

 

 

僕は、強い郷土愛をもっている人はたくさん知っていますが、ことさらに自慢する人を確かにあまり知りません。

 

 

同級生と話しをしての結果ですが、愛着度が低いのは納得できないですし、昨年は強い郷土愛があるという記事も目にした記憶があります。

 

 

まあ、それは置いておいて、都道府県人気ランキングの調査方法ですが、インターネットを使って行い有効回答数は3万件、都道府県ごとに600件とのことです。

 

 

調査項目は、「外から視点の評価」が78項目、「内から視点の評価」が26項目です。

 

 

外から視点の評価項目は、認知度、魅力度、情報接触度、地域イメージ、居住意欲、観光意欲、思いつく食べ物などだいたい予想通りのアンケート形式の設問でした。

 

 

内から視点の評価のなかには、愛着度や自慢度が入っており、2010年で終了した調査はここに吸収されたのでしょうか。

【僕の茨城県最下位の仮説】

 

僕は茨城県が最下位だからなんとかしたいとか思っているわけではありません。

 

茨城県は東京からもすぐだし、観光客が増えれば豊かにもなるのでしょうが、観光客がなだれこんできて荒れていくよりも、今のままでいいと思っているのです。

 

東京から車だと一時間もかからずに田舎に来られる環境なので、ドラマや映画のロケに頻繁に利用されています。

 

 

おそらくこの調査項目だと最下位を脱出するにはまずは認知度をあげることでしょう。

 

 

知らなければ魅力も感じようがありません。

 

 

その意味では県の観光協会などが一生懸命に動画などをとり、あるいは農産物や海産物のアピールをすることは理解できます。

 

 

しかし、それで認知度があがったとしても、せいぜい努力賞程度の話ではないでしょうか。

 

 

僕が注目するのは次に重要な魅力度なのです。

 

 

そして魅力度とは、簡単に言えば、「茨城県にときめきを感じるか」なのです。

 

ときめきとは、これまで知らなかったものとの出会い、あるいは出会いの可能性・期待の気持ちです。

 

 

それは、人かもしれず文化かもしれず、その両方かもしれません。

 

 

あえて出会いといったのは、魅力とは異性に魅かれるものとほとんど同じ感情の動きであろうからです。

 

 

そして、茨城県にはこれが決定的に欠けていると思います。

 

 

逆に上位の都道府県をみるとこれがはっきりします。


2017年の上位5は以下の通りです。ちなみに昨年もこの順位です。

 

 

1.北海道

2.京都府

3.東京都

4.沖縄県

5.神奈川県

 

そして都市別ランキングで上位6位は順番に以下の通りです。

 

京都市
函館市
札幌市
小樽市
鎌倉市
横浜市

 

都道府県一位の北海道には、函館、札幌、小樽と3市も入っているし、京都府には京都市が、神奈川県には鎌倉市と横浜市があります。

 

東京都と沖縄県がありませんが、東京市というものはないし、沖縄は本島だけでもすべてが魅力があるということだと思います。

 

これを僕の仮説である「茨城県にときめきを感じるか」と考えあわせてみてください。

 

上位6都市のすべてが恋愛の舞台だったり恋の歌で歌われたりしています。

 

それに対して、茨城県のどの市に恋の街と言えるところがあるでしょうか。

 

 

確かに昔は船頭小唄とか潮来花嫁さんとかがありましたが、そういう事ではなくて、出会いやときめきを感じられる、もっと最近の恋愛事情にマッチした「恋の街 水戸」みたいなものが考えられるかという話です。

 

 

僕はこの点をはずして、茨城県の魅力をあげようと、筑波山が美しいとか大子の滝の紅葉がきれいだとか、ひたち海浜公園のネモフィラがとかいっても、無理があると思います。

 

 

そして、茨城県人は秘めた恋でいいと思うし、外からはいばらきに果物狩りとか家族ずれとかが週末に簡単に来られて楽しく過ごせればいいと考えているのです。

 

 

だから観光協会には申し訳ないですが、茨城ワースト5冠達成おめでとうと強い郷土愛とともに、心から言えるのです。

 

 

p.s. 僕もすっかり忘れていましたが、今年の初めにこのテーマで書いていました。

この時は、ちょっとは茨城県を擁護しようという気持ちもあったようで、風景写真をはったりしています。

 

茨城県の魅力が最下位である理由

 

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お読みいただき、ありがとうございました。

 

 

20171017 by okkochaan