国会でも話題になっていますが、NHKの最新の世論調査でもっとも高い政党支持率を獲得しているのは、無党派の45.7%(支持なし38.7%、わからない 無回答7%)、続いて自民党の38.1%となっています。
自民党については森友学園の問題に対して安倍首相や財務省の回答に8割近くの方が不満を感じている割には高い数字です。
しかも安倍内閣の支持率も53%と高い数字です。
これはいったい何が起こっているのでしょうか。
また、野党については低迷が続いており中でも民進党の内部分裂というか党内の統一感のなさは、国民に不安を与えているように見えます。
これを考えると、自民党の38.1%の支持者のなかには、他に頼れる政党がいないため、しかたなく支持している人も多く含まれているように思えます。
逆に安倍内閣の53%の支持率のなかに、無党派・無関心層からの多く含まれていると思います。
それにしても、調査対象者の約2000人のうちの半数近くが支持政党がないという事態は異常に思えるかもしれません。
それに、この重要な時期に民進党はちょっとばかりだらしなすぎる印象です。
今回のNHKの世論調査から、僕にはこの第一党である無党派層の45.7%をどうとらえるかということが、にとっても野党にとっても重要だと考えます。
一方で、無党派の45.7%の方々を批判する方もいらっしゃいます。
その根拠は、支持政党を明確にしないことについて、つまり選挙に行くのは国民の義務だから国民主権を放棄するに等しく、なっていないということかと思われます。
確かに、我々日本人は、学校でそのように教わりました。
ですが、僕は選挙にいかないことだって選択する権利があると思うし、学校で教わったことも疑って考えることが重要だと信じています。
僕は、こうしたことを言うと、すぐに批判の声が飛んでくることを知っています。
「大切な子供の未来がかかっているのだから、それを親が投票によって決めることは重要だ」とか、「民主主義は国民の監視によって成り立っている。知らないうちに戦争が始まってもいいのか」とかです。
しかし、そんなことをおっしゃる方のほとんどは、自分の属する政党とか政治信条に引き入れたいだけで、真剣に未来を案じているわけではありません。
つまり、ある群れに属しているだけで考えているわけではありません。
平均的な日本人の1日のうち、政治について考えるのは何分ぐらいかとか考えたことがあるでしょうか。
政治こそ最重要な事項だと考えているとしたら、とんでもない間違いです。
人間も動物である以上、リーダーを選ぶ際に最も重要なことは、「そのリーダーについていくことが安全か?」ということであり、それ以上でも以下でもありません。
強いということは、安全かどうかの基準の一つにすぎないので、必ずしも力が強い=安全、ではありません。
そのリーダーについていけば安全かどうかは、もっと総合的な力、つまり知力であるとかコミュニケーション能力であるとかが確実に含まれます。
一方、プリミティブな社会であればあるほど、力は一点に集中し、北の国のように世襲制が行われていたりするのです。
すなわち、親が強かったから子もそれを継承して安全ではないかと判断するわけです。
この重要なポイントをはずしてしまうと、井戸のなかのカエルと同じこととなり、状況把握を誤ってしまいます。
僕は、特に今の野党に決定的にかけているのはこの部分だと思います。
単に矛盾点や失策をあばくのでは、批判するだけで、「安全」は伝わりません。
理詰めで論破しようとしても、ますます伝わりません。
リーダー不在といってしまえばそれまでですが、異なる方向からのアプローチが重要ではないかと考えています。
20170413 by okkochaan