このシリーズを2回まで書いて、だいぶ間があいてしまいました。

 

 

理由は、よくわからないのですが、当初思いついた時はいいものが書けそうな気がしていたけれども、次に書くことをいろいろと考えているうちに、僕のテーマへの興味が希薄であることを気づかざるを得なかったのだと思います。

 

 

それは、僕自身に対しての自己嫌悪の感情が原因だと考えています。

 

 

つまり、結局、僕にとってOさんとは何だったのか?自分に都合よく利用しただけじゃないかという思いであり、自分が社会的に評価されていないというコンプレックスから、誰が見ても人生の失敗者であり経済的にも破綻しているOさんがいることで、「まだ下がいる」という安心感を得られるから、普通であれば「友達」になどなったりしないホームレスのOさんと付き合っていられたと思っているのです。

 

 

そして、僕は、「自分はなんていやらしい人間だろう。」と思っています。

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こんな疑念が払拭できないので、もともと時系列でOさんとの付き合いを書き進めようと思ったのですが、計画を軌道修正して、Oさんとの会話やOさんからの話などから書いていこうと思います。

 

 

書いていくうちに、何か違った見方が出来るかもしれないと淡い期待もいだいているのです。

 

 

 

それは、僕が単身赴任をしていた2年間ぐらいの間のことです。

 

 

当時、僕は仕事の都合で単身赴任をしていました。

 

 

単身赴任といっても、都内の西のほうの大きな街であったので、毎週自宅には帰っていたし、結婚以来、一人ぐらしをしたことがなかったので、とても新鮮な出来事でした。

 

 

そしてある日、僕の職場にOさんから電話が入りました。

 

 

どうしてかOさんは僕の居場所をかぎつける嗅覚をもっているのですが、その時は、僕の会社の支店に電話をして、聞きだしたようです。

 

 

そのころ、Oさんはホームレスになってから2~3年はたっていたと思います。

 

 

会社の近くまで来るというので、どのような姿になっているのか不安もあったが、会うことにしました。

 

 

ところが、Oさんはスーツを着て、黒い鞄をもった、どこから見ての普通のサラリーマンだったのです。

 

 

もちろん、服が汚れていたり、嫌な臭いがしたりということもありません。

 

 

新聞をよく読んでいるらしく、世の中の出来事については通じていたし、よどみなく頭の回転はやく話すさまは、いつも彼を見て思っていたのですが、「道さえ間違えなければ、どれほど立派な人間になっただろう」と思わざるを得ませんでした。

 

 

「運が良いとか悪いとか人は時々、口にするけど。」という、さだまさしさんの歌詞が浮かんできましたが、同時に、Oさんの場合、彼は運が悪いと思っているふしがあるけれども、望んだ結果なのではないかと思っていました。

 

 

いずれにしても、Oさんに必要なのはまずは食事、次に風呂と睡眠であろうことは理解できたので、彼とスーパーでおかずを買って、家でご飯を作り、風呂に入ってもらうことにしました。

 

 

これをきっかけとして、宿泊がしばらく続くのだが、社宅でもあり無制限に泊めることは出来ないので、彼が来るのは、週一回までとし、かつ事前に連絡を貰うこと、翌朝は僕の出勤とともに部屋を離れることを条件としました。

 

 

これなら、僕の部屋で生活していることにはならないと考えたからです。

 

 

ところで、どうして僕がOさんに宿泊まで許可したのかと不思議に思うのではないでしょうか。

 

 

それは、今でも僕にはよくわからないのです。

 

 

Oさんが僕に嫌われないように気を使っていたのだと思いますが、彼は一人暮らしの僕が面倒でやっていない風呂掃除とかトイレ掃除とかをマメにやってくれました。

 

 

そして、かれの独特のこだわりなのですが、完璧にきれいにするし、タイルなどのちょっとの汚れさえきれいにするのには、正直驚きました。

 

 

ともあれ、こうした形でOさんと僕とは週に一回ぐらいのペースで会うことになったのですが、これからは、そうした日々にOさんから僕が聞いた話を紹介していこうと思います。

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【Oさんの無賃乗車法】

 

Oさんはいつも金がない割には、頻繁に電車で移動していました。

 

 

家もないのに、必ず自分のホームタウン?の駅に帰るし、そこから毎朝、必ず「出勤」していました。

 

 

そこで、不思議なのは電車賃をどうやって工面していたかですが、そのほとんどは無賃乗車だったのです。

 

 

Oさんによると、その方法は以下の通りです。(なお、この方法は実証していないし、Oさんの人柄を知っていただくための話として出しているので、決して真似はしないでください。)

 

 

大きなターミナル駅限定になりますが、入場・退場にかかわらず前の人に改札直前で接近し、前の人がゲートをくぐっている時に、カバンを前にぐっと出して、そのまま前の人と一緒にゲートをくぐるという、きわめて単純な方法です。

 

 

Oさんによれば、ゲート横に赤外線センサーのようなもので人数を認識させるが、上記の方法だと「一人」として認識されるので、全く問題なく通過できるそうです。

 

 

ただし、この方法は大きな駅だけで使うべきで、小さな駅で降りるときには、その手前の大きな駅で一旦このわざで降りてから、切符を買って入り直すそうです。

 

 

後日、この話は別なところで重要な役割を果たすようになるのですが、それは、Oさんが痴漢として誤認逮捕された時の話ですることにしますね。

 

 

いずれにしても、彼のこの技は、かなり完成度が高かったようで、一度も怪しまれたりさえしなかったそうである。

 

 

ちなみに、彼が偶然あった学生時代の友達にこの方法を教えたところ、一発で捕まったらしいので、駅員の眼とか気を付ける要素は他にもあるのでしょうね。

 

 

ただ、繰り返しますが、決して真似をしないでください。これは立派な違法行為なのです。

 

 

僕は、Oさんというホームレスになってしまった優秀な人間のエピソードとして記録しておきたいと考え、あえて書いているのです。

 

 

ということで、第3回はここまでです。

 

 

また第4回でお会いできればと思います。

 

 

20170822 by okkochaan

 

平成の酔生夢死【ホームレスOさんとの交友記】 第2回 出会い