チャ、チャラッチャ、チャーラー!
ヤフーニュースによりますと、教育学の研究者らで構成する日本教育学会は12日、教育勅語の学校での教材使用に関する報告書をまとめたと発表したとのことです。
教育勅語といえば、今は留置所にいらっしゃる籠池氏であり森友学園です。
国会が閉会しましたが、森友学園をめぐっての値引きの件についての議論はかなりあったように思います。
しかし、少なくとも当初、非常に良い教育をしていると安倍首相も考えた背景とそれが意味するものについて、一般の国民の理解は低いかもしれません。
現政権を支持するにしてもしないにしても、僕はこの教育勅語は現在の政治の問題の重要なタグであると思うので、少し解説してみたいと思います。
【2017年3月 政府が教育勅語の教材使用を可とする答弁書】
政府は3月31日の閣議で、教育勅語を学校教育で使用しないよう求める質問主意書に対し「憲法や教育基本法に反しない形で教材として用いることまでは否定されない」とする答弁書を決定した。一方で教育勅語について「教育の唯一の根本とするような指導は不適切だ」とも明記した。
この答弁書の問題点は、教育勅語を戦争という負の歴史を知る上での教材としての位置づけではなく、国会答弁で内容を是認する見解を述べた稲田朋美防衛相を質す意味合いがありました。
つまり、親孝行のこととか、いいこともたくさんあるという発言への反論です。
一方で教育勅語について「教育の唯一の根本とするような指導は不適切だ」とも明記した。』の箇所については、70年前に国会で明確に教育勅語が否定されているのですが、その時にも旧文部省が教育勅語を唯一の理念とする教育を否定する旨の通牒を発したため、一時は唯一の理念としないかぎり教育勅語に基づく教育も可能だとの理解がありました事と呼応して、不思議な感じがします。
その後、今度は加計学園の問題とか北朝鮮の問題とか、都議選、稲田防衛相の不適切発言と辞任などで、この政府答弁については、本質的な問題を含んでいるために重要でありながら、政府答弁が生きている状態となっています。
もっとも、この時も日本教育学会は下記の声明を発表しています。
教育学会の主張の論拠がとてもわかりやすく書かれていますので、ご一読をお勧めします。
【日本教育学会とは】
ところで、日本教育学会とはなんなのか、上記の記事からのサイトで確認いただけるとより確かですが、簡単に記しておきます。
日本教育学会は一般社団法人であり、教育や教育学にかかわる研究領域を対象とする日本国内で最大規模の学会です。
学会なので当然ながら大学教授がメンバーになっており、教育勅語と教育や教育学にかかわる研究とは、どう考えても相いれないと思えます。
【個人的な意見】
教育勅語が教室にすえられ、毎朝拝んだり暗唱したりという体験をした方は、だんだんと少なくなってきました。
これは、教育勅語に価値を認める方であっても、そのほとんどは、実際に教育勅語を体験していないことを意味します。
現在の年齢で80歳ぐらいからでなければ、知らないことです。
ただ、政治信条にかかわらず、80歳以上の高齢者の方々のほとんどが、戦争は二度と起こしてはならないと考えている点です。
私自身も同じく、戦争を知りません。
ただ、日本国憲法公布前にこの教育勅語の問題をあいまいにせず、また今後、教育勅語を礼賛し利用する人間が必ずでてくることを見越して、完全に国会で否定したことを重視したいと考えています。