九州が集中豪雨で死者もでているというのに1時間の不在でクレイムされた稲田防衛相が、今度は、被災地視察で追い打ちのように評価を下げています。
人間、一旦落ち目になるとやることなすこと批判されてしまいます。
今回の不評は自衛隊内部からもあるように思いますが、簡単に言えば場違いの訪問と言えます。
そのため、自分はしっかりやっているというパフォーマンスを見せるためと思われているのです。
もちろん、防衛大臣として自衛隊の方々が懸命に救援にあたっているのを叱咤激励することは間違ってはいません。
しかし、不必要なタイミングで「視察」されるために、今一番必要な救援活動が妨害されるとすれば本末転倒と言わざるを得ません。
おまけに最近の都議選での不適切な発言や、それ以前の森友学園での発言、大臣としての国会での答弁での失態の数々、国際会議で同席していたオーストラリアとフランスの国防担当大臣を含めて、「私たちはグッド ルッキング」という場違いで場をしらけさせた発言などなど、枚挙にいとまがないと言ってよいと思います。
本当に悲しいぐらい、かつ珍しいほどの能力不足です。
最も悪い点をあげれば、人間の気持ちを忖度できないことかもしれません。
司法試験を合格しているので、勉強は頑張ったのでしょうが、応用がきかず、変化球に弱く、ただ右寄りの強い信念と主張があるだけであり、そこに惹かれてしまった安倍首相の人を観る力にすら疑念を感じてしまっている国民は多く、それが内閣支持率の低下の要因の一つになっています。
これでも安倍首相はまだ稲田大臣を続投させるのであれば、その理由を国民が納得できるように丁寧に説明する必要があるでしょう。
任免権は内閣総理大臣にあり、野党が不信任決議案を出しても否定されるのが現状ではありますが、かなりの割合で与党も含め、納得していないと思えます。
野党は心を鬼にし、衆院予算委員会の閉会中審査で、安倍首相の任命責任のみでなく罷免させない理由を徹底追及すべきです。
問題は全く異なりますが、加計学園の問題と同質の匂いを国民は敏感に感じているのです。
内閣改造によって大臣を交代させれば、稲田大臣には傷がつかないと考えていらっしゃるのかも知れませんが、もはや無意味に思えます。
それに、弁護士としての稲田氏に何か法律相談をしたいと思う方がいるだろうかと素朴に思います。
稲田大臣は、もともとは政治に全く興味がなく、ただ父親は保守派の活動家として有名な方でした。
しかし、だからと言って、親と同じ思想をもち義務などありません。環境の影響は人間だれしも免れることは出来ないと思いますが、僕には、稲田氏には思想上の変遷とか迷いとかはなかったように見えます。
弁護士になったのは、女性の社会進出に困難を感じていたからとのことで、それは立派な動機だと思いますが、弁護士になって社会的に弱者である女性の権利を守りたいとか考えていたわけでもないようです。
都議選の不適切な発言のあと、「厳粛に受けとめ」を何度も繰り返していらっしゃいましたが、どこに「厳粛」があるのか、僕には感じられませんでしたし、それは多くの国民も同じだろうと思っています。
安倍首相が現在の支持率を回復させられるかどうか、それはわかりませんが、内閣改造を待たず、稲田大臣を罷免することで範を示すということが、今ほど求められている時はないと僕は考えています。
20170715 by okkochaan