ここでは、サピエンス全史という本をどんな方にお勧めしたいのか、その理由はなぜかについて書きます。

私的な評価 ★★★★★

お勧め度  ★★★★★

前置き(飛ばしてもいいです)

 

ここでは、書評、感想、本の紹介という目的で、私の少ない経験をものともせず、自分が読んだ本について発信しています。

 

始めにこんなつまらない話をして申し訳ないです。

 

しかし、本を読むという行為はあきらかに人間の強い意志をともなった行為です。

 

本を読むには、多くの時間が必要であり、金銭的な負担が生じたりもします。

 

また何を読んだらいいかわからないという場合もあるでしょう。

 

そこで、私は、私が読んだ本に関して、どんな人にお勧めしたいかということと、その理由について簡単に書こうと思います。

 

本の内容紹介はほとんどしないので、ご了承ください。(内容を知りたい方には私が調べた中で良くまとまっていると思った外部記事を文中で紹介しました。)

 

サピエンス全史はこんな方におすすめしたい

 

以下に箇条書きしますが、ひとつでも当てはまるものがあれば、ぜひ読んでみて欲しいと思っています。

 

これまでの自分の常識を打ち破って欲しい(驚いてみたい)

この本はこのような動機から読むにはぴったりです。

本当に感動したりとかそれまでの価値観が根底から変化するような本には滅多に出会うことができません。

あなたはこの本を読むことにより、それまでの世界の見え方、他者との関係についてなどに変化が生じる可能性が高いと思います。

 

なぜサピエンスだけが生き残ったのか知りたい

この本の最大のエッセンスがそれです。

これについてだけ内容紹介すると、著者のハラリ氏は、「虚構」を共有できるからこそ、サピエンスは見知らぬ他人とも協力し合い、物事に対処してきたと書いています。

なぜ同じ人類でありながら、サピエンスだけ栄え、ネアンデルタール人は滅びなければならなかったのか。これまでの世界史ではコミュニケーション能力の差だと教えてきました。

これは言語能力の差かと思われてきましたが、どうやらそれだけではなく、虚構を創る能力と大きな関係があったとこの本では書かれています。

サピエンスによる「虚構」の意味するところを正確に理解するためには、やはり本を読んでいただくしかありません。

私は、こうした簡単な紹介で本の内容を理解したような気持になって欲しくありませんので、ネタバレはしませんが、どうしてももう少し内容が知りたいという方は、私の記事ではありませんが、下記がよくまとまっていますので、お読みいただくとよいかと思います。

世界史の面白い本を5冊厳選してみた。

 

落ち込んだ自分を立ち直らせたい

これは一種のショック療法になるかと思います。

あなたが何かで悩んでくよくよしていたとします。

この解決法ですが、その問題を解決するよりは、別のより強い興味をもてることを実行することにより悩みを忘れるほうが簡単なのです。

別のより強い興味をもてること、とは、全く別の価値観といってもよいかと思います。

何かに悩み、海を見に行って忘れようとするのと似ているのですが、よりショック療法のほうが速攻性があり強力だと思います。

この本の書かれた目的とはずれますが、こうしたメンタルケア―ができることが、副次的な効果として十分期待できると思います。

なお、これはこの本に限らず、すぐれた本がベースとして必ずもっているものかもしれません。

この本の感動の質としては、宇宙の大きさに絶句するみたいな感動が欲しい、とか思ったときのものに近いと思います。

 

ビジネスのヒントが欲しい

この本がなぜビジネス書に分類されていて、歴史書ではないのか、題名からすると不思議ですね。

またなぜ現在の世界のビジネスリーダーたちがこの本を絶賛しているかも興味がありますね。

私はまだ一回通読しただけですが、なんとなくですが、その理由がわかりました。

書かれた内容もさりながら、その思考法から導かれる様々な思念とアイデアが泉の水のようにあふれてくるような感覚があるのではないかと思います。

 

話のネタとして彼女(彼氏)に話し、物知りだと思われたい

なんども読み返し、興味をもった関連事項を調べたり読んだりしているうちに、あなたは自然と専門家になれるでしょう。

ただし、「わたしより、そんな人類がどうとかのほうが好きなのね!」と思われないように要注意です。

逆に、彼女(彼氏)があなた以上にサピエンス全史に夢中になる危険性もあるので、このネタの扱いには十分にお気を付けください。

ただ、私だったら本の内容を彼女に話して注目されたいなどとは思いません。もっと風景や自然の美しさとかを共に味わい、生きてこうしていられることに感謝したいと考えると思います。

 

サピエンスの幸福

Image by Diamantino Santos from Pixabay

この本では、サピエンスの歴史をかつてないスケールで壮大に記述しつつも、それによってサピエンスは幸福だったかという点がしばしば述べられ、後半部分はサピエンスの幸福について書かれています。

例えば、長い狩猟採集民であった時期とその後の農耕民としての時期を比較すると、幸福度は狩猟採集民のほうが高かったのではないかと、その理由とともにロジカルに述べています。

ハラリ氏は、サピエンスの歴史を通してみて、幸福度に大きな変化はなかったという事と、幸福度を測るのための係数を科学的に確立し、かつてどのような歴史家も問題にしなかった、幸福度の歴史研究という学問を立ち上げる必要を述べています。

しかも、サピエンスの今後について3通りの可能性を提示していますが、どの方向をとったとしても、サピエンスが現状通りで変化がないとは考えていないようです。

個人的には、このような歴史的な時代に生きられた喜びがあります。ハラリ氏が述べているように、サピエンスの歴史は、「飢餓」「貨幣」「戦争」の歴史であり、飢餓だけをとっても、現代のように飢餓から免れている時代はなかったのです。

こうしたことを知ることができただけでも、私にはこの上ない「幸福」を感じます。

また本書の続編である、「ホモ・デウス」を読み、おすすめ度とか感想をお伝えできればと思います。

 

2022.11.10 by okkochaan