ゴールデンウイークも終わりになり帰京ラッシュのニュースが風物詩のように報じられています。
だいぶ前に、GWをずらしてという議論が盛んでしたがなぜかこの頃下火になっていますね。
また仕事にストレスを感じている方も多いと思われるので、休暇の充実感よりもサザエさん症候群のような、休み前の活力も失せて落ち込んでいる方もいらっしゃると思います。
日本には、このあたりで新しいカンフル剤のようなものが必要だと強く感じています。
さて、今日はヤフーニュースにあった以下の記事が興味をひきましたので、これについて書こうと思います。
(リンクは、この記事の最後にはっておきます)
進まぬ職場のメンタルヘルス対策、管理職の対応が企業の損失を決定づける
またメンタルヘルスマネジメント検定というものがあり、詳しくはないですが、これから生きる資格のような予感があるのですが、コンサルタントを検討されている方は、この資格に注意しておくとよいかもしれません。
僕は無冠の帝王を目指しているので、キャリア関係の資格も勉強だけして試験を受けなかったりしたのですが、僕の知る限りメンタルヘルスについては、それぞれの個人がある程度理解している気になっていて、これを先入観として扱い、一旦、ゼロにすることも重要だと思っています。
ニュース記事にもありますが、現場の対応で抜けがちなのが、ちゃんとした医者に診てもらうように勧めるということです。
うつ病だとか症例は多くあると思いますが、その温床となっている我々の日常生活とか会社生活とかに注意を払うことが予防医療という観点からも最も大事だし、意識が薄いところだと思うのですが、そうしたデータを持っている可能性が高いのは人材派遣会社ではないかという気がしています。
つまり派遣社員とメンタルヘルスの状況を広くデータとして検証できれば面白いものが出てくると思います。
なぜ人材派遣会社はデータを持っていると考えるか
現在は派遣法の規定で、メンタルヘルスについての受診も義務化されつつあります。
しかし、いつも思うのですが、我々は突然病気になるわけではありません。
病気は常に気づかないところで進行していて、ある日突然、発症するわけです。
そして病院は発症後に処方するしかないのですが、それは犯罪があって初めて動く警察に似ています。
職場を原因とするメンタルヘルスに絞って考えたときに、僕は人材派遣会社が質・量ともに最も多くの基礎データを持っているのではないかと考えています。
しかし、それはあくまで原石にすぎず、気づくように努力しなければ宝の持ち腐れですし、派遣会社にそれだけの体力があるかどうかの問題は別にしての考えです。
派遣会社が持っているデータの形としては、まず派遣元管理台帳にある派遣記録があげられます。
派遣による利益とか経費を別にすると、派遣会社が最も気にするデータは、スタッフの派遣継続期間です。
派遣する側の派遣会社にしてみれば、長期であれ短期であれ、かかる手数はあまり変わりません。
そうであれば、ひとりのスタッフに出来るだけ長く働いて欲しいと考えるし、企業にしても仕事に慣れるか慣れないかのうちにスタッフが変わっていれば経費も教える労力も負担になり、全くいいことはありません。
現在は派遣法で3年満期が規定されていますが、現実問題として、せっかく仕事を始めても1か月もしないで辞めていくスタッフも多く存在します。
派遣スタッフが仕事を継続できない理由は様々ですが、あくまでも一定期間はしっかり働きたいという気持ちを派遣当初にスタッフがもっていて、継続しなかったデータについてが役立つかもしれないと考えています。
仕事が継続できないのは派遣スタッフも正社員も同じである
ニュース記事によれば、メンタルヘルスに悪影響を与えるものとして、残業や仕事量の多さと、周囲のフォローがあるかどうかの2点をあげています。
このうち残業については派遣スタッフにはあまり当たらないと思えるので、周囲のフォロー、つまり職場の人間関係にフォーカスしたいと思います。
ずばり言って、当初、ながく働きたいと考えた派遣スタッフが仕事を辞める理由のほぼすべてが、家族の問題などやむを得ない理由を除けば人間関係であるといっても過言ではありません。
そのため、どの派遣会社でも派遣当初の職場の人間関係を仕事そのものの習得よりも気にします。
それは職場になじむことで派遣期間を安定して働いてくれ、派遣スタッフとしてまかされた仕事を十分にこなし、派遣会社への企業からの評価もあがるからです。
もちろん、1週間ぐらいでは安心はできません。
親身に親切に対応していただけていると思ったら、初めだけとか、態度が豹変するとか、しばしばあるからです。
ですが、同一会社の同一部署でしょっちゅう派遣スタッフが辞めていたとしたらどうでしょうか。
それは、企業としては、メンタルケアマネジメントにも問題ありと考え、調査する必要があるだろうし、派遣会社はより現実的に動きますから、少ないスタッフをよりよい企業に派遣しようとします。
その結果、派遣スタッフの定着率の低い会社とか部署とかは、そもそも派遣スタッフを依頼しても誰もこないし、来ても無理なマッチングがどこかにあったりして、悪循環に陥る可能性は高いです。
派遣スタッフは必要以上の忖度をする必要はないし、忠誠心も持つ必要はありません。
スタッフでも正社員を経験した人は多いので、会社の嫌な面とか自分には絶対受け入れられないこととか、正社員よりもはっきりしています。
派遣スタッフが定着しないから正社員だけにするという企業もありますが、業種上の必要(守秘義務とか官庁への届け出が必要とか)を別とすれば、おそらくその企業では正社員は我慢しているだけです。
すぐに仕事を辞めて会社を転々とする派遣スタッフを悪くいう人は企業にも派遣会社側にも大いし、もちろん派遣スタッフが悪い場合もあるのですが、もともと無理なお願いをスタッフに強いている場合も多いと思っています。
そして、きっぱりとやめていく派遣社員をうらやましく思っている正社員もその職場には間違いなくいるでしょう。
派遣元管理台帳には、苦情および対応の記録欄があるのですが、これを派遣が終了した時点で出来るだけ客観的に記録するデータがあれば、メンタルケアマネジメントの元データとして、非常に参考になるものになるのではないでしょうか。
参考記事:
進まぬ職場のメンタルヘルス対策、管理職の対応が企業の損失を決定づける
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20180506 by okkochaan