ゴンチャロフ製菓パワハラ

 

サッカーのワールドカップのどさくさに紛れて
与党が強行突破して成立させた、
働き方改革関連法について、
何か書かなくてはと思いながら、
悶々としています。

 

ちょうどヤフーの意識調査で
働き方改革関連法について投票しているので
見てみると、分母は3,000件ぐらいで
少ないですが、マイナス評価が72%で
プラス評価の17%を大きく上回っているので、
この法律が一般国民にとっては、押し付け以外の
何物でもないことを証明していると思いました。

 

そんななかで、20歳の将来のある青年社員が
長時間労働と上司のパワハラ暴言でうつ状態になり
自殺したゴンチャロフ製菓の事件で、
労基署が労災を認めたことが、
遺族の記者会見でわかりました。

スポンサーリンク

 

労災認定の理由と、それを認めないゴンチャロフ製菓

労災を認定した理由として、ヤフーニュースによれば、
長時間労働や上司とのトラブルが原因だったとして、
西宮労働基準監督署が労災認定していたとのことです。

 

上司とのトラブルとは、パワハラです。

 

しかし、僕が最も気になったのは、
ゴンチャロフ製菓のコメントです。

 

「自死されたことは非常に残念。
労基署がどういった事実を認定したか承知していないが、
当社としては過重労働やパワハラの認識はなかった」

 

最近、いろんなところで出てくる、
「承知していない」という日本語が
使われています。

 

それにしても、労基署が労災を認定しているのに、
認定根拠の過重労働とパワハラをともに
否定するところに、僕は深い闇を見ます。

 

少なくとも、人が一人亡くなっているのです。

 

ゴンチャロフ製菓は企業として、調査を
行わなかったのでしょうか。

 

その闇は、ゴンチャロフ製菓のみならず、
ブラック企業といわれている多くの企業とか
特に中小企業で働いている人たちを
救いのない気持ちにさせるのでは
ないかと思います。

 

また、労基署はゴンチャロフ製菓に対して、
指導はしないのでしょうか。

 

弱い者は強くなるしかないのか

一度も挫折したことのない人間は、
弱い人間に対して、強くなれとしか
言えないのかもしれません。

 

しかし、どんな人間でも、失敗することはあるし、
良い時も悪い時も必ずおとずれます。

 

確か以前に安倍首相は、何度失敗しても
やり直しが出来るような社会の実現といった
意味のことをおっしゃったことがあります。

 

ですが、実際に働いていたり養う家族が
いたりすれば、思い切った決断も
できない場合もあるし、弱気に支配される
ことだってあります。

 

そうした誰でも起こり得ることに対して、
救済の仕組みや思想が入っていない制度は
なんとも非人間的です。

 

つまり、強くなければ生きていけないという
自然界の法則を受け入れるしかないわけです。

 

日本の労働について議論を全くしない国会

僕はこの記事でゴンチャロフ製菓を
避難とか弾劾をしたいわけではありません。

 

むしろ日本の労働法では、中小企業も
犠牲者ではないかと思っています。

 

通常法律が決まると施行日などで、常に
中小企業は猶予期間が与えられます。

 

細かいことは書きませんが、今回の
働き方改革関連法でもそうです。

 

これは、中小企業の状況を考えての
慣例的な措置なのでしょうが、
この思考法にも疑問があるし、
裏を返せば、結局は大企業優先という
考え方が根底にあると思うからです。

 

70年に一度の改革であるならば、
そもそも日本人にとって働くとは
何なのかという本質まで踏み込んだ
議論をすべきでした。

 

しかし、誰もそんなことは言わないし、
僕自身、労働の領域に国が介入しすぎていると
考えているので、実は期待もしていません。

 

ただ、許されない無知ということはあります。

 

それは、どういうことかというと、
国会議員の方々が、個々の労働者の
実状に対して、あまりにも無知であることです。

 

その無知では、現実離れした抽象論しか
出来ないし、弱者を切り捨てていると
言われても仕方がないと思っています。

働き方改革関連法にみる無知

残業時間の上限を明確にし罰則規定を付けたことの問題3点

制度だけみれば、一見、悪くない法律にも
見えます。

 

しかし、これは3つの意味で問題があります。

 

まず罰則規定は、一応作りましたというレベルです。

 

半年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金では、
大企業にとっては、痛くも痒くもないでしょう。

 

もう一つは、高度プロフェッショナルとのからみです。

 

高プロは、かつての派遣法がそうであったように、
省令で適用範囲をいかようにも変えることが可能です。

 

そうであれば、企業は残業規定を超えての罰則を
受けるよりも、どのみち残業代は払っているので、
高プロの対象にすればいいと考えると思います。

 

まさにこの点が安倍首相が面談申し込みを無視した
過労死した方の家族会(国会に遺影をもって
法案成立に立ち会った人たち)の方とか、
野党の方が反対した理由です。

 

さらに、ここがまさに国会議員の方々の無知だと
思うのですが、残業代がどうしても必要な
人たちが多数います。

 

企業は残業代の支出を減らしたいので、
労働者の残業については、厳しくするので、
結果、残業は抑えられますが、
生活が苦しくなる国民が多数いると
思われます。

 

それは「こんな人たち」かもしれません。

 

ですが、弱者ではあります。

 

その人たちの苦しい生活は、良い仕事を
しろとか、僕の大嫌いな言葉である、
「スキルアップ」だとか「キャリアアップ」
だとかしろとでもいうのでしょうか。

 

その人たちには、もちろんずるい面も
あるかもしれません。

 

向上心がなかったり、タバコを吸ってみたり、
そして、ここからゴンチャロフ製菓の
話に戻りますが、教育を受けていないので、
ハラスメントについても無知で、
何がハラスメントにあたるのかとか、
ハラスメントについての会社としての
リスク管理とかにも無知です。

 

僕は、ゴンチャロフ製菓という会社は、
この無知が生んだ悲劇ではないかと
思っているのです。

 

人間は、本当にその意味がわからなければ、
何度でも同じ過ちを犯します。

 

会社であっても、それは同じです。

 

こうした日本の会社や労働についての
深い闇が、この国を支配しているのではないかと
僕は考えているのです。

 

そして日本には、ゴンチャロフ製菓のような
会社が無数にあるのではないかと
思っています。

 

関連記事:

ゴンチャロフ製菓、自殺した社員の母親が労災申請、パワハラはあったのか

20180706 by okkochaan