料理センスない チャーハン
はなたれ君さんによる写真ACからの写真

 

料理センスがないと思っていたり、人からそういわれて悩んでいるかたに向けて書いています。

 

もし、料理センスないと思っていれば、ご自分のチャーハンの作り方に注目してみてください。

 

ここでは、僕のチャーハンの作り方を書き、そこに至るまでの失敗を書きましたので、少しでも参考になればと思います。

 

僕はチャーハンの作り方ひとつから、その人の料理センスの全てがわかるのではないかと思っているのです。

 

僕がたどりついたこれ以上シンプルはないと思われるチャーハンの作り方

 

1.フライパンを弱火で油を薄くしき、とき卵を入れる。

2.ご飯をいれて木のへらで卵と混ぜ合わせながら、玉がなくなるまで根気よくつぶす

3.中華あじを適当に入れ、塩コショーをかるく振り入れる

4.すべてが均等に混じりあえばできあがり(塩加減をチェック)

 

注① 油はオリーブ油がおすすめ。洋風にしたければバターもありだが、何を使うにしても必要最小限にとどめる

注② とき卵はご飯茶碗大盛り2はいに一つが目安

注③ フライパンはできたらテフロン加工の大きなものをつかう

注④ 中華あじの代わりに、鶏ガラスープの素、コンソメ、ブイヨンでも可。

注⑤ 塩コショーは極力少なくする。(薄い味は足せるが濃い味はもどせない)
コショーと塩で加減するのもよし、醤油のみフライパンの脇から入れるのもよい。

注⑥ 火は一貫して弱火のまま

 

このようにすれば、ぱらっとして、油もあまり感じない控え目ながらおいしいチャーハンができます。

 

現在に至るまでの失敗の歴史

完全なド素人時代

なぜかフライパンにご飯がこびりついてしまう。

 

ラーメン屋で聞いてみたら、油が足りないからではないかと言われ、油を多く入れてみたら、ご飯のこびりつきはなくなったが、油が強すぎてとても食べられないレベル。

 

結局、ご飯が残ったら永谷園のお茶漬けにお世話になる。

 

手首返しを追求するも挫折する

とき卵の前に、ハムやソーセージと玉ねぎを刻んだものを炒めてチャーハンを作る。

 

しかし、これも油が強すぎるし玉ねぎから出る水が半端なくて、ぱらっとしたチャーハンにならず、おいしくない。

 

少しでもラーメン屋ででてくるチャーハンに近づけたいと思い、いろいろやってみる。

 

ラーメン屋のチャーハンを観察すると、焼き豚を小さく刻んだものとか、ナルトを小さく刻んだものが入っている。

 

あと、ネギは例外なく入っている。

 

たぶん、ポイントは細かく切ることだろうと思ったし、それに中華あじを少し加えればいいんだと考える。

 

そこまでは良かったのだが、強火でド派手に中華なべを手首で返してご飯を宙に舞わせ、油を弾き飛ばすのがパラっと仕上げる極意に違いないと思い、手首返しと強火でごり押しするチャーハンを作るようになる。

 

テレビで中国の若い修行コックが並んで、中華なべに砂を入れて手首返しの特訓をしているのを見て、「チャーハンの極意は手首返しと見つけたり」というパフォーマンス重視の誤った確信に変わる。

 

また、このころ、チャーハンを作るロボットが出現し、機械的に手首返しを巧みにやっているのを見たのも誤解を助長した。

 

結果、チャーハンを作るのは苦行にも似た作業となり、挫折。

 

市販のチャーハンの素をつかって惰性で作った長い日々

市販のチャーハンの素を何種類か買っておき、その何種類かが唯一のレパートリーとなる。

 

特訓で覚えた手首返しの技を使い、強火でつくるのは同じ。

 

しかし、ある日、あたかも同じファミレスとかに行き続けてそこの味に飽きるのと同じように、数種類の「レパートリー」がどれを作っても同じ味に感じることを知り、愕然としてしまう。

 

それでも、惰性でチャーハンを作っていたので、飽きるもへったくりもなく、チャーハンの味の追求もいつしか忘れ、チャーハンは残飯整理の料理であり、お腹を満たせば何でもいいと考える怠惰な日々が長く続いた。

 

料理は義務以外の何物でもなく、まして夢とか楽しみとか言っているのは、世間を知らない甘ちゃんのたわごとと断定していた。

 

チャーハンを食べる状況を常によく考える

 

料理は心を込めて、出す相手のためを考えつつ、楽しみながら作らなければ決しておいしくなりません。

 

今では、自分の悪い点がよくわかるのですが、僕の最大の間違いは、チャーハンという料理を押しつけていた点にあると思います。

 

あたかも数学の回答のように、こうした手順で作ったのだからおいしいはずだという自分勝手な思い込みがあったのです。

 

しかし、料理は食べる状況によって微妙な調整が必要なものではないでしょうか。

 

つまり、昨日おいしかったから、今日同じに作ればおいしいとは限らないという事です。

 

年配の方には塩分も配慮すべきですが、熱中症が起きやすい気候であれば逆に塩分を多くしてあげるとか。

 

またチャーハンを単品で食べるのか、他の料理と組み合わせで出すのかも大きなポイントです。

 

チャーハンにごてごてと肉や野菜を入れるのは僕のやり方ではなく、栄養を考えてそうするのであれば、その肉や野菜で他の料理を作る方が良いと考えています。

 

チャーハンはどちらかと言えば、料理の主役ではなく、わき役に徹した方がいいのです。

 

控えめでありながら、さりげなく食べやすくおいしいというのがチャーハンの理想ではないでしょうか。

 

油をつかっているので、僕なら、サラダを付け合わせにするかスープを作るかします。

 

またおいしいウーロン茶とかを加えると更にいいかなと思います。

 

僕にとってのチャーハンは、控えめながらじわじわとそのおいしさが残るようなものを理想としており、それゆえにシンプルに徹するべきものなのです。

 

このシンプルな形態からなら、どのようにも変化することが可能です。

 

そして、料理を出す相手のことや他の料理とのバランス、気候などを直観的かつ総合的にとらえて瞬時に最良の道を選び、工夫することができること、僕はそれが料理のセンスだと考えているのです。

 

20191101 by okkochaan