
アウトプットがインプットより大事だと思うけれども、なかなかアウトプットが出来ない。
何から始めていいかわからない。
そんな悩みを持つ人には、読書から感想などをアウトプットすることをお勧めします。
アウトプットの方法としてはブログを書くのが一番だと思います。
これはスタート方法としては悪くないと思うのですが、継続しないことには意味がありません。
継続のコツは書き方にあると思いますので、そのリアルな方法を解説します。
ポイントは1点のみです。
感動を誰に伝えるのか明確にする
読書感想とはいえ、アウトプットには違いありません。
アウトプットは漠然と話すとか書くとかするのではなく、誰に伝えるかを明確にすることにより、よりくっきりと強い形のアウトプットができます。
ここで注意したいのは、アウトプットが読書感想文にならないようにすることです。
特に、あまり文章を書いたことがないとか、書いても会社でのメールや内部文書などのような定型的な表現に慣れ過ぎている方は要注意です。
どうしてこうした書き方がいけないかというと、つまらない内容にしかならないからです。
つまらない内容が人の心に響くことは絶対にありません。
つまらない内容として僕がイメージするものは、学生時代の予定調和的な読書感想文です。
僕には人生のわずかな期間、優等生であったことがありました。
それはいまだに苦い思い出なのですが、簡単に言えば先生とか父兄が受け入れやすい感想しか書かなかったことであり、ほめられることに比例して自己嫌悪に陥っていました。
この点はちょっと太宰治チックです。
ほめられる読書感想文を書いていた僕は、あらかじめどのポイントでほめられるか計算しながら書いていました。
そしてたいていの場合、予定通りにほめられて、僕は今でも思い出すたびに恥ずかしさに死にそうになるほどです。
心にもないことをさも感動したように書き、自分がなりたい理想の人間とか人生でやるべきことがらをならべ、本にかかれている偉業をなしとげた人物を賞賛し、自分がそうなれなくても少しでも近づけるように努力するといった意味のない言葉の羅列がほめられる読書感想文だったのです。
優等生が優等生であり続けるというのは、かなりストレスがかかることでした。
ある日、優等生であることに疲れ果て、僕は本当のことを書きました。(ちなみに優等生の期間は3年に満たなかったと思います)
それは、題名は忘れてしまいましたが、モーパッサンの傘を題材にした短編小説の感想でした。
その感想文で、僕は、「こうしたことは、フランスでは多いかもしれないが、日本ではあまりないだろう」と書きました。
先生は文章のその箇所に?を入れて、違くないかと僕に示唆しました。
その小説は人間の見栄のおかしさ虚しさを愛情をもってクールに描いたものです。
その点で、人間性というのはフランス人であれ日本人であれ変わらないだろうと先生は言いたかったのだと思います。
だからモーパッサンは偉大な小説家であり感動を与えるのだと。
しかし、僕には、いろんなカラフルな傘の色彩の印象が強く、かつ小説中の自己顕示的な自慢の会話がおフランス式というか独特なものがあったので、フランスでは起こっても日本ではあまりないだろうと書いたのでした。
もちろん、これは理解されず、それまで和歌の感想文を書けば、どこかの参考書を写したのだろうと同級生から嫌味をいわれるほどだった僕のほめられる文章は終わり、それと同時に優等生であることからも逃れることができました。
一度そうやって書きたいことを書いてからは、反抗期ということもあったでしょうが、学校では嘘ばかり教えていると思うようになりました。
たとえば、「親鸞は石鹸で手を洗っても洗っても、手がきれいになったという思いになれなかったような人だ」として、そこに親鸞の偉大さがあると先生が話します。
僕は、それを聞いて、「たぶん先生の親鸞は単なる潔癖症だったんだろう」と思うわけです。
僕の親鸞はどうかというと、手なんか洗わず、肉を食べ、女性をすぐに好きになる人だったからです。
だいぶ脱線しましたが、これを読んでいる方には、僕と同じような過ちを絶対に避けて欲しいと願っています。
ここは本当に大事なポイントなのです。
それは、無意味であり、なにより時間の無駄であり、自分への欺瞞でしかありません。
そして、こうした過ちに陥るのを防ぐ簡単な方法は、誰に向けて書くかを明確にすることです。
あなたは、ある本を読んで、その内容を伝えようと思っています。
それは不特定多数ではなく、あなたの好きな人とか母親とか子供とかのうちの誰かかもしれません。
あなたが孤独でどうしても、そうした人が思いつかない場合は、想像上の親友であったり恋人であったり、場合によっては故人であってもいいと思います。
好きな人の何人かに対してではなく、そのなかの特定の一人に対して、その方にあなたの読んだ本の内容を話し、興味を持ってもらえるように書いてみてください。
もちろん、あなた自身に対してでも悪くはないのですが、おそらく他人に対しての方がはるかに書きやすいと思います。
あなたが何でも話せる人、相手はあなたの話を熱心に何でも聞いてくれる人です。
あなたがあなたの好きな人に、あなたがその本を読んで得た知識・感動の100分の1でも伝えることが出来たら、あなたのアウトプットは成功したと言えます。
またブログのなかで引用が許す範囲で印象的な箇所の引用を行ってもいいと思います。
本を写すというのは、音読と同じく、非常に効果がある方法なので、たとえその一部分でも自分で打ち込んでみることで新たな発見が不思議なぐらいあります。
これは実際にやってみればわかります。
すべてはあなたの好きな人に伝えるために書かれなければなりません。
そうなるとプレゼントを買うとき以上に作業が楽しくなり、もっとたくさんの本を紹介しようと思うので読書量も多くなり、アウトプットも多くなるという非常に良い環境が自然と身についてきます。
まさに一石二鳥どころか三鳥、四鳥ぐらいの意味が、この読書からアウトプットして書くという行為にはあるのです。
駄目押しですが、あなたの好きな歌を思い起こしてみてください。
どうしてその歌が好きなのか。
メロディーとか音の美しさももちろんありますが、歌詞について言えば、それはあなたの事を歌っているからではありませんか?
「あ、私の事だ」とどこかで思っているはずです。
それと同じように、ブログなので書き方などは無視してかまわないので、無料ブログを作って、まずは始めてみてください。
記事を100書くという事は、100冊の本を読むことになるかもしれず、あなたの知識、文章力、ブログを扱う能力、タイピングなど継続することによって、いつの間にか大きな力になることは間違いありません。
ただ、これだと、読書と記事の比率がインプットよりになってしまいます。
それだと大事なアウトプットがおろそかになってしまうので、本一冊に対して2記事、あるいは3記事と割合をざっくり決めておくとよいかと思います。
たとえば、本一冊よんだら、その本を好きな人に伝えるための記事を書く。
あと一記事は趣味もしくはニュースから書く。
あと一記事は日記、もしくは雑記として日常生活での気づきを記事にする。
といった感じです。
てなわけで、お読みいただきありがとうございました。
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20191208 by okkochaan