
喫茶店業界は、はた目にも大変そうだと思えるほどの激戦を繰り広げているように見えます。
集客に成功するかどうかで大きく差がでるからだし、流行っているかどうかも一目でわかるからでしょう。
そんな中で、喫茶室ルノアールは着実に業績を伸ばしているようです。
コーヒー一杯が600円以上はするので、決して安くないのですが、ルノアールはどうして支持されるのでしょうか。
僕自身の思いもこめて理由を考えてみました。
消えたなつかしい喫茶店
僕は、喫茶店のモーニングが好きでした。
それもチェーン店ではなく、どこにでもあって個人経営の喫茶店です。
決して変わったものを求めているのではなく、欲しいものは、熱いおしぼりと香りのあるコーヒー、焼きたてのトーストに殻が向きやすいゆで卵ぐらいです。
この4点がすべてしっかりしていればいいのですが、100点の店は当時から少なかった気がします。
でも1点ぐらい、たとえば、卵がむきづらい程度なら及第点であり、それにコーヒーがまずいとかおしぼりが冷めているとかトーストが冷めて固いとかが加わると落第でした。
かなり個人的な話で恐縮ですが、パチンコ屋の開店を待つ間に喫茶店に入り、モーニングを食べながら今日の打つ台についてあれこれと考えるまったりした時間は、僕にとって至福の時だったと思います。
しかし、ご存知の通り、独立した喫茶店は姿を消してしまい、ドトールやスタバ、タリーズなどに市場を取られてしまいました。
僕もドトール、サンマルクカフェなどを見つけると率先して入るほうですが、それは僕が喫煙者だからです。
しかし、喫煙者にとって、こうした安い喫茶店は決して心地よいものではありません。
狭いし、くさいし、人が多いからです。
それに、セルフサービスも僕は面倒だと感じてしまいます。
自分で家事はほとんどこなしているので、お店に入った時ぐらいサービスを受けたいというのが本音です。
だから、昔なつかしい喫茶店がつぶれてしまったのが残念でなりません。
僕にとってコスパもよくないセルフサービス喫茶店
特にセルフサービスの店にうらみがあるわけではないので、その点は申し訳ないのですが、セルフサービスの喫茶店は決してコスパが良いとは言えないのです。
理由は価格と時間と二つです。
確かにドトールだとコーヒーが220円ぐらいだと思いますが、これにサンドイッチをつけると簡単に500円になってしまいます。
青山ツインタワーの地下にエルグレコという純喫茶がありまして、ここはアンティークな雰囲気の店ですが、ゆで卵とトーストがついたセットが500円ぐらいだったと思います。
おまけに、ウェイトレスの方が、コーヒーのお替りを嫌味なく勧めてくれます。
ゆっくりくつろげるので、僕は時間があるときは、近くのドトールではなくエルグレコを利用していました。
時間がなかったり、あまり親しくない人と一緒の時はドトールを選ぶという使い分けです。
ただドトールは人が多いし、並んでいるので時間が無駄だしで、あまり魅力を感じませんでした。
喫茶室ルノアールが支持される理由
結局、喫茶室ルノアールが支持される理由は、上記の差なのかと考えています。
ルノアールには一坪あたり1.5人までという明確な方針があるそうで、他の客と空間的に遮断されるので、落ち着いて話をしたり聞いたりするのに適しているのです。
これには裏話があって、当初、内装にお金をかけすぎて少ないテーブルと椅子でオープンしたところ、これがかなり好評だったからだそうです。
偶然、お客のニーズにマッチしたわけです。
ルノアールは喫茶店というより、貸しオフィスというか貸し空間と僕は考えています。
だいぶ前になりますが、中野のブロードウェイを入ってすぐに右にいったところに2階にあるルノアール中野北口店は、僕がもっとも多く通ったお店になります。
この店は、2階にあるためでしょうが、外からの採光も配慮されていて、お店全体が明るい印象でした。
始めて入った時は、その広さに驚きましたし、座り心地によい椅子にかえって落ち着かなかったりしましたが、何度も行っているうちにそれも慣れて、コーヒーの後に出してくれるお茶とかコブチャ(これがなぜかすごくおいしかった)をいただいていました。
お店が込むこともほとんどなくて、友人と好きな文学についての話を長い時間していました。
ノマドワーカーには嬉しいルノアール
僕は、ブログをほとんど家で書いていて、喫茶店で書くことは少ないです。
それは都内に行く理由がないからですが、喫茶店でノマドワークに適した環境の店が見いだせないからです。
コメダ珈琲店はいい線いっているのですが、wifiに問題があるし、ルノアールのように遠慮なくいすわる気にはなれません。
その点、ルノアールはほぼ文句なしにグッドです。
ただ僕にとっては、やはりお店によって客層も違うので、落ち着ける店とそうでない店がでてきます。
中野北口店が明るくすばらしかったためでしょうが、地下にある店とかだと閉塞感を感じる時もあります。
しかし都内に100店舗ある点はすごく魅力だし都内に行ったときは、スマホで近くのルノアールを検索します。
皮肉なことに、僕がブログを始めようと思ったのは、目黒駅ちかくのドトールの狭くて人がひしめいている喫煙室で、MacBookにすごい勢いで文字を打ち込むノマドワーカーを見て、かっこいいと思ったからです。
あの勢いで書ければ、まわりがいくら騒がしくても関係ないでしょうが、僕には難しいです。
でも、これからどんな環境でも仕事ができるようになるためには、場所なんか選んでいてはいけないのですね。
喫煙者には悲報の紙巻きタバコ禁止
ルノアールでは、20年4月に施行される「改正健康増進法」にともない直営店では紙巻きタバコを禁止するようです。
苦渋の決断であったろうと推察しますし、個人的には残念ですが、ノマドワーカーの僕としては仕事中は吸わないと決めれば大丈夫なので、問題ないです。
可燃式たばこならOKのようなので、必要とあらば切り替えですが、それより辞めた方が早いかもとも思っています。
そんなことよりも、近くにルノアールがある都心に住みたいと思っています。
ルノアールには貸し会議室もあるので、レンタルオフィス的に使い倒すことができれば、コスパは最大となるでしょう。
20191010 by okkochaan