仕事を3年我慢する理由も根拠もないが辞めない方が良いひともいる

新卒で3年以内に退職する人は増加傾向であり、35歳未満の若い世代の転職者の離職率も増加傾向というニュースがありました。

 

日本には、就職し仕事について辞めたいと思っても3年は我慢したほうがいいという根強い考えがありますが、この考え方をあざ笑うかのように、離職者は後を絶たず、企業の悩ましい課題だそうです。

 

そこで、仕事は3年は我慢するということについて調べてみたら、けっこう面白いことが見えてきました。

 

「仕事を3年我慢する」には理由も根拠もない

始めに「仕事を3年我慢する」という事には、なんの根拠も理由もないことを述べておきます。

 

そもそもこの3年を誰が言い出したことなのか、僕にはわかりませんでした。

 

日本のことわざの、「石の上にも三年」が根拠なのかもしれません。

 

また一般的には、「次の転職のため」と考えている方も多いです。

 

3年未満で辞めてしまう人は、あきっぽいとか、また辞めてしまうのではないかと採用担当者に思われて不利になるらしい、ということのようです。

 

また、余計なことかもしれませんが、この3年信者は、日本社会で驚くほど多いことは知っておいた方がいいかもしれません。

 

つまりサラリーマンとしてのあなたを評価する人が3年信者である確率は高いわけだし、同僚や先輩にも多くの3年信者がいて、その価値観を変えるのは難しいということです。

 

マイナビの調査は、非常に興味深い事実を伝えてくれています。

(引用:マイナビ 転職は「とりあえず3年」働いてから? 入社3年以内の転職は不利? アンケートで分かった意外な事実とは

 

これは、「初めて入社した会社を辞めたのは、入社何年目の時でしたか?」という質問への回答です。

 

仕事は3年は我慢という価値観があるなかで、3年目の退職がピークであり、2年目も3年目にせまる数であり、1年目も結構多いことがわかります。

 

また4年目に入ると、急激に退職者はダウンし、3年目の半分になっています。

 

ひょっとすると3年我慢の考えのなかには、それを超えれば安定するという計算が働いているのかもしれません。

 

さらに注目すべきは、同じ調査で、転職するなら「とりあえず3年働いてから」だと思いますか?

という質問に対し、「そう思う」と「どちらかというとそう思う」と回答した方が、6割以上いたということです。

 

しかも、この回答は、年齢・性別での差がほとんどありません。

 

日本人が、協調性を重んじることは他の調査でもわかりますが、これは良い点もあれば、くそ真面目でつまらない国と言うことも可能です。

 

しかし、そもそもこの3年には何の根拠もないことは、明らかだと思います。

 

僕が考えるその最大の理由は、時間はすべての人に平等に流れていないと思うからです。

 

例えば、総務のように1年の年間スケジュールをこなしていく仕事を考えてみましょう。

 

その場合、1年目は初めての経験になり、2年目は覚えたことをなんとかこなし、3年目で初めて自分なりの工夫も出てくることが考えられるので、3年は我慢するということが根拠があるような気がします。

 

ですが、これは、あくまでも想像上のことであったり先輩などの経験から生まれた予測にすぎません。

 

もしかすると、例えばAさんは、3年やっても全く仕事を覚えることもなく、何の進歩もないかもしれません。

 

逆に、Bさんは、1年どころか半年もしないで仕事の本質をつかみ、すべてを要領よくこなすかもしれません。

 

この場合、AさんとBさんの仕事に対しての時間の密度はこと仕事に関しては、明らかに違うのではないでしょうか。

 

仕事を覚えないAさんが3年して退職し、仕事をすぐ覚えて創造力も豊かなBさんは1年で退職したとして、同じ企業を再就職先として受けた場合、企業の評価はそれだけではしないだろうと僕は思います。

 

つまり、仕事は3年は我慢しろというのは、精神論の形を一見とっているように思えますが、実は、ものすごく抽象的で大雑把な話なのです。

 

このような偏見に引きずられて時間を無駄にする必要は全くないと思います。

 

6割の人が3年信者であれば、なおさらです。

 

成功するためには、人と違うことをするというのは鉄則なのですから。

 

3年はやめない方が良い人とは

次に、明らかに3年で辞めない方が良いと思われる人について書きます。

 

それは、主体的に自分を軸に考えることができない場合に多く見られます。

 

3年は我慢した方が良いといわれているから3年したら辞めると考える人

3年我慢できたのならば、定年まで我慢できます。

決して嫌味ではなく、無理することはないと思います。

ひとつの仕事をずっと続けることは立派なことだし、仕事は、人生の一部に過ぎないのですから。

 

やりたいことが特にない人

特にやりたいことがなく、転職エージェントになんとなく登録して、よさげな案件があったので応募してみるような方は、転職しないほうが安全です。

転職して今よりよくなる保証はどこにもないし、それに、所詮は、雇われの身、金持ちになることはないだろうし、大差はないと考えましょう。

 

同期入社の人がどんどん辞めているからなんとなく辞めようかと考えている人

他人がどうこうと比較せずに、自分で判断しましょう。

 

仕事は生活のためと割り切り、出世もスキルアップも考えない人

これは、会社では自己実現など考えないと達観した、それなりに立派な考えだと思います。

残業などは一切せず、会社の飲み会などは上手くかわして参加せず、自分を守りましょう。

また目立つ行動は避けて、大過なく穏やかにお勤めをはたしていきましょう。

これが許されるためには、公務員などがベストだし、民間であれば倒産する心配がない企業がいいです。

また自分でビジネスを始めようと思っている人にとっては、現在の仕事は全く重要ではないし、負担やストレスは最小限に抑えるべきなので、このスタンスで問題ありません。

 

広い視野と柔軟性をもつ

以上、仕事を3年は我慢するとか、とりあえず3年は頑張ってみろとかいうのは、飲み屋に入って、「とりあえずビール」と注文するのとあまり変わりはないという話でした。

 

ここで最後に、転職一般についてのアドバイスを書こうと思います。

 

正直言って、僕は転職というのは大した問題ではないと思っています。

 

少なくとも命にかかわるほどのことではないのではないでしょうか。

 

ブラック企業については触れませんでしたが、辞めたい理由が会社におおいに問題がある場合は、病気になる前に逃げ出した方がいいです。

 

ただ、会社を辞めるにせよ辞めないにせよ、非常に重要なことは、あなたが広い視野と柔軟な考え方をもち、いろいろな価値観があることを理解することだと考えています。

 

それらを得るために必要なことは、あなた自身による自分の教育なのです。

 

常に絶え間なく勉強をすること、これ以上に必要なことはありません。

 

ぜひ書籍に時間とお金を惜しまず投資してください。

 

勉強の効果は転職だけにとどまりませんが、あなたの可能性を追求するためのベストな手段なのです。

 

そうして得た知識は、場合によりあなたの体内から汗のように吹き出したり、オーラのようなものを形成するかもしれません。

 

その結果、あなたはどのような組織であっても一目おかれるような存在になることが出来るでしょう。

 

20190417 by okkochaan