せっかく転職したのに失敗して後悔しているという話をよく聞きます。
ある調査では4人に1人の割合で転職が失敗だったと感じ転職しなければよかったと後悔しているようです。
ここでは、転職の失敗での後悔などあり得ない形を創るためのアドバイスと失敗したと思った時の対処法について書こうと思います。
転職の失敗とは何か
はじめに転職の失敗とは何かを明らかにしておく必要があります。
僕が調べたところでは、転職に失敗したと感じるのは主に3つです。
人間関係(社内での役職や立場を含む)
仕事内容(残業時間を含む)
給料
の3つになります。
これは、転職をしようと思った理由と共通しているはずです。
前職の会社の何かがどうしても変わらず、変わる見込みもないと判断したために思い切って転職したわけです。
これら3つが複合的な原因であったとしても、すべてが同じ割合のはずはありません。
「いろいろ理由があって」というのは、自己分析が足りないだけです。
あなたが主にどの理由が決定打になって転職に踏み切ったのかよく考えてみましょう。
そのうえで、その主な理由が想定していたものと全く違っていたとか、前職よりも悪化しているようだと、失敗と言えるかもしれません。
転職が失敗した原因を正確に把握する
よく言われることですが、「その希望は転職しなければかなえられないものだったのか」ということを考えてみます。
前項の3つ、
人間関係(社内での役職や立場を含む)
仕事内容(残業時間を含む)
給料
ですが、考えてみると一般的には、この順番で解決は容易であることがわかります。
逆の順番、つまり変えるのが難しいと思われるものから考えてみましょう。
給料は、サラリーマンである以上、かなりの功績でもないかぎり、大幅なアップはないので、同じ会社にいてのアップは難易度が高いのです。
このケースは、雇用条件通知書など書面で給料を確認することで転職の失敗は防げると思います。
残業代や福利厚生面について、その算定方法などを確認しておくことは言うまでもありません。
ただし、一般的に給料があがればそのポジションについての安定性は落ち、リスクがあがります。
そのリスクを考えなかった転職であれば失敗して後悔することになります。
それを承知の上での転職であれば、たとえクビになったとしても、転職が失敗と後悔するべきではありません。
仕事内容は、それをやることで何をあなたが実現したいのかということです。
もしあなたの夢や実現への意欲が高ければ、残業時間はあまり問題にならないでしょう。
組織的に実現したい類の夢であれば、もし転職前の会社がどうしてもあなたのやりたいことや理想とかけ離れ、そこで仕事をすることが無意味となったのであれば、転職して正解なわけです。
そして転職先の会社があなたの理想までいかないとしても、あなたの夢の実現可能性があれば、転職は成功です。
それが会社に入ってみたら希望の仕事はおろか、部署まで違ってしまったという場合は、あなたの詰めが甘かったか、あなたの希望があまりにもニッチなものであるのか、転職先の会社に問題があるのかということになります。
あなたは事前確認を徹底的にすべきだったのです。
しかし、一方で、人間とは、どんなに現実的な判断しかしていないと思える人であっても、実は夢とか幻想で生きているという真実をよくよく知るべきです。
大きな夢をいだくのなら問題ないのですが、何でも自分に都合のよいように誤解するということもしばしばあるのです。
人間関係はもっとも解決が簡単ではありますが、実は、人間関係の悩みが転職の大きなファクターになっているし、転職が失敗したと思うのも、人間関係がうまくいかないということでもあります。
人間関係については、外的要因と内的要因に分けて、よく自己分析をしておきましょう。
外的要因とは、上司がパワハラをするとか暴言を吐く場合などです。
この場合、部署異動が可能な会社であれば、人事なり社長なりに相談して異動をお願いしてみます。
しかし、会社が小さい場合とか、異動が難しい会社とかもあるでしょう。
この場合は、ダメ元で自分で解決を試みてみましょう。
僕のとっておきの解決策を教えます。
威張っている人間は、背後からの攻撃に非常に弱く、普段の言動とは真逆で、気が小さい人が多いです。
全く当人が予想もしないタイミングで、背後に静かに近づき、例えば、「あのメールの件ですが」と不意に耳元でささやいてみてください。
その時、予想もしない方向からのささやきに対して、彼が感じる感情は、おそらく「恐怖」そのもののはずです。
メールは用意だけしておいて、出し忘れたことにします。
内容は、彼のパワハラ行為をやめて欲しいというお願いのメールです。
見事にはまる可能性は高いです。しかし、申し訳ないですが、保証まではできませんが。
おそらく、彼のあなたに対する態度は1か月位は変わり、一目おいた距離を取るようになります。
ただし、1か月もするとまたもとに戻りますので、やはり異動させてもらうのがベストです。
人間、そう簡単には変わらないものだからです。
内的要因は言うまでもなく、あなた自身に問題があるケースです。
ここに問題があると、転職してもほぼ同じ結果になります。
このチェック法は簡単なので、自分にあてはめて考えてみてください。
「あなたには、無作為にピックアップした社員100人のうち、苦手意識をもったり嫌いと思う人が何人いますか?」
僕の規準は1人までなら仕方がないというものです。
僕は営業をしていたので、苦手意識をもったり嫌いという感情をもったりすることは絶対に避けなければならないと思っています。
それらの感情は、相手にも伝わってしまう事だし、営業で絶対に必要な相互理解をはじめから阻んでしまうマイナス要因にしかならないからです。
僕の場合は、逆手にとって、苦手意識をもったり、嫌な担当であるほど積極的に近づく努力をしていました。
そうすると、変な人だと、競合他社の営業も嫌って避けてくれるので、仕事を独占できるからです。
人間、嫌いな人がいるのは仕方がないことです。
ですが、できるだけその割合を少なくすることは大事だと思っています。
人間関係で悩んでいる人は、この嫌いな人の割合が多いのです。
嫌いな人には、好意を積極的にもてない漠然とした状態も含みます。
おそらく10人のうち3人は嫌いだったりしするのではないでしょうか。
会社という組織で働くわけですから、その社員が同僚の10人のうち3人が嫌いだとしたら、仕事がうまくいかないのは自明のことです。
この問題を根治せずに転職によって解決しようとしたのは間違いだったのではないでしょうか。
僕は人間関係が悪いという理由での転職には基本的に反対です。
最低でも、嫌いな人の割合を10人のうち1人までにしてから転職活動を始めることをお勧めします。
人生で多くの時間を過ごす会社の人間関係を良好な状態にすることは、良い仕事をするために絶対に必要な条件だし、それを創っていくのは、他人ではなく、あなた自身にかかっているということを十分に認識してください。
つまり、転職していようがしていまいが、あなた自身の問題なので根治する必要があることなのです。
会社に過度に期待しない
これも心構えの話になりますが、上記3つ以外で転職に失敗したと思う背景には、会社への過度な期待があると思います。
「これまでの俺の人生は灰色だった。しかし、ある日すばらしい社長の目に留まり、これまでの会社で認めてくれなかった俺の価値をわかってくれる人だった。これまでの会社なんかクソくらえだ。おれはバラ色の人生を歩むことができる!」
といった笑えない状態です。
女性であれば、ある日、白馬にまたがった王子様が現れて、私を眠りから覚ましてくれたといったところでしょう。
もちろん、こんなことは、誤解にもとづいた幻想なので、100%ありません。
でも、人間は幻想で生きているので、実際には、驚くほどこんなことが起こっています。
仕事が人生において重要な位置を占めているのは当然です。
それに費やす時間だけを考えても、仕事中心に人生が回っているのがほとんどという状況です。
プライベート重視とかオンオフがはっきりしているとか、残業がない会社だとかそんなことではありません。
残業がないとしても、人生の多くの時間を会社の仕事に費やすのは変わりません。
しかし、あえて言いますが、サラリーマンの場合はどうしても自分の夢の実現には限界があるのです。
それは給料に限界があるのと同じです。
サラリーマンで給料をもらうというのは、たとえて言えば、経営者という運転手に運命をゆだねて乗車することでもあります。
つまり、どのような良いと言われる会社であっても、運転手である経営者のために、いつ会社が倒産するかわからないし、吸収合併とかの変化も普通にあります。
環境も人間も否応なしに変化しますので、会社に過度に期待をかけるのは良くないと思います。
それに対抗するのは、あなた自身がどれほどの夢を描けるかということなのです。
会社に対しての夢ではなく、あなたが人生でかなえたい夢です。
あなたがどのようなことに価値を置いているのか、あなたの夢はなんなのかということです。
夢は荒唐無稽な実現不可能と思われるぐらいの大きさがあればあるほどいいと思います。
大きな夢をもつことは、それだけであなたのストレス耐性を飛躍的に高めてくれます。
夢の観点からみれば、転職してのあなたの変化はひとつのフェーズを示しているに過ぎないことがわかると思います。
給料にしても、大きくことなったとしても、年収で1000万円ぐらいの違いしかないわけです。
この1000万円を大きいと思うか小さいと思うかで、あなたの夢をはかることもできるかもしれません。
その位置からみれば、ちょっとぐらい嫌な人も問題にならないはずです。
会社にも上司にも同僚にも頼らず、むしろあなた自身が太陽のような恒星になって周囲に暖かさを降り注げるような存在になることをぜひ目指してください。
やむを得ない転職の場合
僕がやむを得ない転職ととらえるのは、リストラの場合とうつ病のような病気になってしまった時です。
その他で多いのは、家族の介護であるとか家族と過ごす時間が欲しいとかの理由ですが、この場合も会社の理解を得る努力をどのくらいしたかが問題になるので、やむを得ない場合には含めません。
リストラの場合は、とにかく頭を切り替えて給料が少しさがることは覚悟して、仕事を探しましょう。
問題はうつ病の場合です。
基本的に、うつ病であれば、転職活動をしてもうまくいかないし、それ以上に転職してからも難しいと思います。
出来れば部署異動させてもらうとか長期休暇をもらうかして、療養に打ち込みましょう。
うつ病は、やっと普通の病気であることが認知されてきました。
直る病気なので、ちょっとやっかいな時間がかかる風邪のようなものだと思ってください。
また人間関係が嫌で転職と考えていても、実はうつ病である場合だってあります。
会社に行くのがつらくて仕方がない、会社のドアが重くて開けられない、通勤電車を待つ間にも震えがきて止まらないなどの症状がでたら精神論は無意味です。
まずは病院で診断を受け、家族の協力を得て、根治してください。
病気を理由に解雇はできませんが、それでもやめざるを得ない場合で、生活のために仕事をしなければならないのであれば、できるだけ単純な仕事を選びましょう。
いずれ必ず夜明けは来ます。必ずです。
最後に
ブログを書いているとよくわかるのですが、考えるとは手を動かすことなのです。
転職に失敗して後悔したりしないためには、結局、自分の状況と自己分析をしっかりすることが基本になります。
そのための具体的な方法は、職務経歴書をかくとか、ブログなどを書いて自分の考えや状況をはっきりと確認することが大事だと思います。
職務経歴書も初めから既存のフォームを使わずに自由に書いてみましょう。
それについては、以下の記事を参考になさってください。
【職務経歴書の書き方】最大限にアピールするための考え方と書き方
かなり長くなってしまいました。
ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。
20190114 by okkochaan