ここでは、これまで野菜づくりなどに関心がなかった方にも簡単に始められるものとして、トマトとバジルをベランダで栽培することをお勧めしたいと思います。
野菜作りは、ベランダでやる程度であれば失敗してもどうということもないし、面白さがわかれば他の野菜に挑戦したりする広がりがあります。
始めようと思って、いろいろサイトを見たりしても、なんだか難しく感じてしまった方には、そうした不要なことがらはすべて省いて簡単にポイントを押さえた説明をしていますので、気楽に読んでみてください。
【準備は不要】思いついたらすぐやる!
野菜作りだけではなく、ほとんどすべてのことに通じる大事なことは、思いついたらすぐやるということです。
野菜を作るという行動を起こすことにおいても、きっかけは何でもいいので、まずはやってみることです。
実際に育ててみるのと、話に聞いたり本を読んだりするのは全く違うことなのです。
もし場所が、とか、世話が面倒だ、とか思うのであればいつまでたってもスタートは切れません。
行動に関しては、すべからく織田信長方式で進めましょう。
織田信長という人は、人として僕はあまり好きではないですが、とても参考になる思考と行動があります。
そのひとつとしてですが、信長は出陣の時に自分から声をかけたことは一度もないそうです。
まずは、突然走りながら動き始め、控えている人が急いで鎧兜を動いている信長につけ、さらに馬に飛び乗って真っ先にかけはじめ、家来たちが遅れないよう必死で追いかけるということの連続でした。
あの有名な桶狭間の戦いもそうだったようです。
これは本当に大事で見習うべきことだと思っています。
なぜトマトとバジルのベランダ栽培を勧めるか
理由は2つあります。
第一に、費用対効果が抜群だということです。
トマトは今現在、ひとつ100円ぐらいすると思いますが、これはオレンジとかバナナひと房と同じぐらいの値段で、僕は信じられないぐらい高いと思っています。
自分で育てれば、季節的に足りない部分を買うことはあるにせよ、かなりの部分を自給できるのです。
ちなみに、トマト、キュウリ、ナスを僕は基本の3野菜と呼んでいるのですが、キュウリやナスは比較的安く手に入りますので、選ぶのであれば断然トマト一択なのです。
第二の理由は、栽培が簡単だということです。
相性もあるのかなと思ったりするのですが、僕はトマト栽培で失敗したことがありません。
しかしキュウリやナスについては、うまくいかなかったことも多くあります。
あとキュウリ、ナスにはトゲがあるので、それに気をつけるのも面倒です。(たいしたトゲではないですけど、野菜を栽培したことがない方にはわからないと思います)
いずれにせよ、トマトは費用対効果が抜群で育てやすいので、特に初心者の方には強くお勧めします。
野菜の栽培は子育てやペットの飼育と同じ
野菜の栽培は子育てやペットの飼育と同じです。
そういうと、もしかするとお叱りを受けるかもしれませんが、ここでいう同じとは、対象との距離感というか理想的な関係性について言っています。
つまりつかず離れずの関係こそ、対象(子供、ペット、野菜)が最も健全に育つのです。
いろんな知識を仕入れて、あれもやらなくては、これもやらなくてはという状態だと、子供の教育に異常に関与する教育ママが子供の才能を摘んでしまうのと同じで、延びたくても延びられないのです。
やるべきポイントだけを押さえて、あとは放任することで、トマトも勝手に育っていきます。
何か気になること(虫がついたとか、弱ってきたとか)が生じたときはググって調べてみればいいのです。
もっとも簡単なスタート方法
何もない状態で始めるのであれば、300円ぐらいで売っている園芸用の土を使えば野菜が育つ条件をほぼ満たしているので十分です。
肥料も3要素がはいった固形肥料を買っておけばあとは何もいりません。
入れものは、できれば大きめのプランターがお勧めです。
日当たりが良いことは、最も重要な要素になります。
最低でも半日は十分に日光が降り注ぐ場所で育てましょう。
また水やりも重要ですが、やりすぎは根腐れとかほかの病気の原因になるのでNGです。(これはほとんどの植物に共通しています)
必ずしも毎日水をあげる必要はなく、土の表面が乾いたらたっぷりと与えましょう。ちなみに、僕は周囲に小さな雑草がある場合は水があると判断しています!
そして、日当たりが良くて水やりをちゃんとやれば、まず失敗しません!
最初の理想的な育てる本数と品種は?
初心者がよくやる間違いは、あれもこれもと考えて、苗を買い過ぎることです。
トマト、ナス、キュウリ、あとシソもいいなとか。
気持ちはすごくわかりますが、できたら僕のお勧めのように始めはトマトに集中し、ナス、キュウリがどうしてもであれば1本だけにしてください。
そのかわり、トマトは出来れば3本の苗を買い、1本はミニトマト、のこり2本は大玉のトマトの割合をお勧めします。
理由は、ミニトマトはよく実がなるし、しかも収穫が早くてしかも長く楽しめるので、もっとも失敗しずらいからです。
大玉のトマトだと青くなってから赤みがつくまでじれったいぐらい時間がかかります。
つまり、食用としてなるべく長くトマトを買わないでいいようにするには、ミニトマト1、大玉トマト2の割合が良いと僕は思っています。
また苗は別に高い苗とか接ぎ木をした苗などを買う必要はなく、安い苗で全く問題ありません。
摘心と脇芽つみ
摘心とか脇芽つみとかを聞いたことがあるでしょうか。
簡単に説明すると、摘心とは先頭部分を切り取ること(実の先っぽとか一番高い主枝の先を切ること)であり、脇芽つみとは、トマトの場合、特にやった方がいい場合が多いのですが、枝と葉の間に短い芽が生えてきたときに、それを手でむしり取ることです。
別にそのままにしておいてもかまわないのですが、そうするとそれはやがて枝になります。(写真をご参照ください)
これらが本当に必要かどうか、僕にはちょっと疑問があるのですが、ベランダで育てたり畑で規格通りに育てたければやったほうがいいです。
簡単に言うと、トマトを栽培する目的である収穫を効率的にあげるためなのですが、摘心や脇芽つみを本当に理解するためには、植物一般の特性とかトマトの個性について、よく観察し知ることが大事です。
植物がなぜより高く伸びようとしたり、枝分かれして横に展開したがるかというと、それらはすべてできるだけ日光を獲得して自分の領域を広げるためなのです。
ライバルが葉を広げていれば、その上に自分の葉を広げます。
まさに生きるための闘争といっていいと思います。
しかし、もし植物がこうした生きるための闘争のみに力を集中すると子孫を残すために実を成らせるほうがおろそかになることがあります。
そのため、ある程度、延びる力をセーブし、おいしい実がなるように人間が仕向ける行為のひとつが、摘心であり脇芽かきなのです。
したがって、厳密にいえば、摘心にしろ脇芽かきにしせよ、トマトを育てている環境と合わせて考えるべきなのです。
ベランダ栽培の良いところは、ベランダの柵にトマトの枝を縛り付けて広げることが簡単にできる点です。
ベランダに布団を干したりするのに問題なければ、可能な限りトマトに自由にやらせ、摘心も脇芽かきもやらなくていいし、あきらかに無駄な方向に育ちそうな枝を切るぐらいでいいと思います。
実際に肥料を最大限に与えて、摘心も脇芽かきも一切やらずに一本で信じられないぐらいの収穫をあげたトマトを僕は見たことがあります。
また子孫をのこす実を甘くするには、トマトもミカンも同じですが、できるだけ水をやらなければ実を甘く魅力的にして動物に食べてもらい子孫を残したいので、甘くなるのです。
トマトの場合は単に水をやらないだけですが、ミカンの場合は、石灰をまいて水の吸収を少なくする作業があるようです。
ただ、こうしたことは、あまり気にせずに育てて良いと思います。
だんだん感覚的にもわかってくるし、育て方によって自分なりのトマトができるようになります。
バジルを一本加えておく
トマトと一緒に植えて相性がいいのがバジルです。
イタリアンが好きなかたはパスタに使えますし、バジルは蚊が近づかなくなるので虫よけとしても非常にいいです。
一本で十分なので、鉢植えにして、トマトの近くに置くもよし、ベランダの入口ちかくにおいて虫がはいってこないようにするも良しです。
料理のうえでも、トマトとバジルはまさにゴールデンコンビと言えます!
シソもいいので、バジルよりはシソが好きという方は、ぜひやってみてください。
さいごに
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
ポイントだけまとめると以下の通りです。
トマトは野菜作りが初めての方に一押しでお勧めできる
まずはとにかくやってみることが大事
こまかな栽培方法は気にしない
日当たりと水やりさえちゃんとやれば失敗しない
できればバジルを一緒に育てる
となります。
また、今回、まったく初めての方を想定して書いたので、土も園芸用の土を購入してと書いていますが、実は植物栽培の究極は(バラなんかもそうですが)土づくりにあります。
ベランダでもできる生ごみを処理しながら土づくりができる方法を以下の記事で書いていますので、興味あればお読みください。
20200506 by okkochaan