あなたはスキルを身につけるのが大切だと思っているかもしれません。
しかし、仕事に役立つ本当のスキルとは何なのか考えたことがあるでしょうか。
たとえば、僕が大嫌いな言葉に「スキルアップ」というものがあります。
どのくらい嫌いかというと、スキルアップという単語がでてきた瞬間にその話や記事を読みやめてしまうぐらい嫌いです。
そのため、人材業界で仕事をしていても、スキルアップという言葉は一度も使ったことがなく、広告などでスキルアップという言葉が使われているのを横目でいつも見ていました。
それはスキルアップという言葉が和製英語で、英語じゃないという理由からではありません。
それは、アドバイスする相手に対して、ガラクタを勧めているような気がして、非常に失礼だと感じているからだし、そもそもスキルアップという軽薄な言葉は嘘だと思っているからです。
ここでは、そんな軽薄な「スキルアップ」ではなく、仕事に役立つスキルとはどのようなものなのか、どうやって身につけたらいいのかについて語りたいと思います。
スキルの習得は勉強と実践あるのみ
一般的にスキルアップという言葉で、どのような技があがることを指しているかを考えてみましょう。
僕の認識では、対人スキル、英語力、パソコン力などをさすことが多いと思います。
これらは、出来なかったことが出来るようになったと自分でも確認しやすいので、スキルアップしたと思いやすいからです。
確かに、人とちゃんと話が出来ない人が出来るようになったり、英語で話したりメールを書いたり読んだりできるようになったり、パワーポイントでプレゼン資料をまとめ上げたりできるようになれば、スキルアップしたことになるのだろうと思います。
間違っていたら指摘して欲しいのですが、スキルアップという言葉はその程度の意味ではないでしょうか。
しかし、これらの技が出来る人はいくらでもいるし、どちらかというと出来ることで初めてスタートラインに立てたという程度のものではないかと思います。
また逆に、これらが出来ないからと言って、悲観する必要も全くない技でもあります。
なぜなら、誰でも少しの努力ですぐにできるようになることばかりだからだし、自分が出来なくても、出来る人に頼めばいいことばかりだからです。
つまり、「スキルアップ」の実態はこの程度だということなのです。
僕は、この程度のことを「スキルアップ」と称して大げさに語ることがおかしいと思うし、あなたの目標をこんなどうでもいいことに置いてはいけないと考えています。
これらの技は、極論すれば、1週間の猛特訓でクリアーできることです。
それをマスターするのに王道などありません。
知識が必要なら、その方面の本を10冊は読み、そして実践することを失敗を恐れず繰り返すのみです。
1週間後には、あなたは、ちょっとした峠に立ち、登ってきた道を眼下に見ることができるでしょう。
山登りで言えば、登り始めて30分ぐらいではないでしょうか。
つまり勉強と実践さえ怠らなければ、誰でも到達できることです。
もし1週間でダメなら2週間かけても、峠にたどり着ければたいした違いはありません。
これが、スキルアップの限界であり、実態であることをよく認識しましょう。
仕事に役立つ本当のスキルとは
仕事に役立つ本当のスキルには、クリエイティブな要素が必ず入ってきます。
もしあなたの仕事についての考えが、自分の時間を切り売りした対価としてお金を受け取る事なのであれば、あなたは1週間の猛特訓で身につけたスキルだけの仕事をすればよいと思います。
つまり、完全に割り切って仕事を生活のためにやむを得ずするという考え方です。
派遣やアルバイトで仕事をする場合は、これでいいし、高い時給がもらえるスキルを妥協なくさっさと身につけておけばいいだけです。
しかし、仕事を通じて、何らかの自己実現をしたいと考えるのであれば、「スキルアップ」で対象となる、対人スキル、英語力、パソコン力などは、出来る方がいいですが、絶対的に必要なものではないことは自明ではないでしょうか。
重要なことは、あなたが取り組んでいる業務をより効率的にしたり、あるいは全く新しいサービスを考えたりするアイデアを出し、社内を通し、実行させることなのです。
これは事務の仕事であっても同じです。
この時、必要なスキルとしては、まずアイデアを出す自由な発想力です。
この力は、決して先天的なものではなく、普段からの努力と注意力があって初めてでてくるテクニカルスキルです。
たとえば、アイデアを書きとめたり、組み合わせたりして、それを行うと何がどう変わるのかを考えます。
こうして無数のアイデアを泉のごとく湧かせていきます。
形になってきたアイデアを会社で実現するためには、それを行うためのコストとかリスクを計算し、上司や会社を巻き込むだけの説得力が必要になります。
会社によっては、単に保守的で変えることを嫌うような風土がある場合も多いと思います。
その場合は、やれるだけやってみて、駄目だと思ったら転職することも検討すべきです。
なぜなら、改革をとめる力が強い会社には将来がないからで、そこに居続ける方がリスクだからです。
こうしてプランニングから社内ネゴ、リスクをとってのプレゼンや実行する力こそ、仕事に役立つ本当のスキルであると僕は考えます。
もっとも大切なのは、あなたに何かのスキルが足りないとかいう事ではありません。
常に現状に疑問をもって、改善・改良を考えながら仕事に臨むスタンスであり、足りないリソースについては、出来る人を見つけて頼める能力であり、目的に向かって走り続けられる強い意志なのです。
あなたの熱意が強ければ周囲を動かすことが出来るはずです。
安定ということは、もはやどんな大会社にいてもあり得ないのが、現在の状況です。
割り切って、自分の時間を切り売りするか、積極的に業務に食い込んでいくか、まずはこの2択から選び、行動していきましょう。
20190212 by okkochaan