さて人材派遣の営業のトラブルログの3回目です。
この話は、2回目の手紙に盛り込むつもりでしたが、僕の要領が悪いので、すぐに長くなってしまうので、話を分けました。
今回の話は、人材派遣の営業がスタッフに好かれてしまっての、ちょっと怖いトラブルです。
派遣営業のIさんに届いた怖い手紙
ある日、同僚の男性営業のIさんが僕のところに来て、一通の和紙の封筒に入った手紙を読んでくれと渡しました。
Kさんの時もそうですが、どうしていつも、和紙の封筒に和紙に書いてくるんだろうとか、僕はこんなの貰ったことないなとか思いながら、読みました。
文字は、薄く青いインクの万年筆で書かれていて、差し出しは新潟県でした。
便せんは、赤い押花をあしらった女性らしいものでした。
どうやら東京で派遣スタッフとして働いていて、事情があって新潟に帰ったスタッフからのものらしいです。
枚数は2枚ほどで、内容は、田舎暮らしが退屈だとか仕事では大変お世話になりましたとか、特に変わったところもなく、Iさんは、どうしてこれを僕に見せたのだろうと思って読んでいました。
しかし、日本語って結局大事なことは、最後に書くんですね。
その最後の文章をみて、僕は凍りつき、背筋に悪寒が走りました。
ねえIさん、わたしたちの結婚式はいつあげましょうか
Iさんの話では、精神を病んでいるスタッフで、それで故郷に帰ったスタッフとのことでした。
Iさんは人当りも柔らかく、誰に対しても親切な人なので、その精神を病んでいるスタッフは、妄想のなかで、Iさんを恋人にしてしまっていることがすぐにわかりました。
あやうく手紙を落としそうになるのをぎりぎりでこらえ、あらためてその手紙全体を見たときに、僕には、それがなにか呪いがこめられたおぞましいものに思えました。
話は、これだけです。
ちょっと拍子抜けしてしまったらすみません。
なお、ここから先は、人材派遣の営業が無用なトラブルを防ぐためのちょっとしたテクニックについて書いています。
よかったら続けてお読みください。
人材派遣の営業はスタッフを決して恋愛対象にはしない
まず僕の知っている範囲で語りますが、人材派遣の営業には概して悪い人はいません。
もちろん、一部悪い人はいますが、人材派遣だからというわけでもないです。
それと同じように、仕事柄、女性のスタッフが多いために、女性にもてるのではないかとか、まるでホストのように人気があるのではないかと思っている方もいますが、そんなことは全くありません。
確かにもてる男はいて、Iさんではないですが、スタッフの方がお弁当を作ってきて、一緒に食べてというのが異常に多い営業はいました。
そいつは、何と月曜から金曜まで違うスタッフの作った弁当を食べていたのですが、本人は仕事と思って我慢しているというツワモノでした。
僕の場合は、当時、派遣スタッフと半年に一回はランチをするようにというトップダウンの指示が出ていた時に、要領が悪いために、ランチを2回とるということがよくありました。
ランチをとって、1時間もしないうちに、別なスタッフと2回目のランチを食べるのはちょっと苦痛でしたが、スタッフに覚られないようにして「業務」をこなしていたのです。
話が少しそれてしまいましたが、人材派遣の男性営業が、スタッフに対して恋愛感情を抱くことはまずありません。
もしあったとしても、それはスタッフだからではなく、どこかの時点で一人の女性としてみたからだと思います。
むしろ派遣の営業をしていると、特に初めたばかりの時は、女性をあまり知らない営業は、女性に対して抱いていた幻想がことごとく崩れることを知ります。
その意味では、一般の男性よりもスタッフに対して恋愛感情を抱きずらくなっています。
ただ、スタッフをフォローして仕事を気持ちよく継続して欲しいと思うために、話を聞いてあげたり時には意見をしたり、派遣先に交渉したりを仕事として日常的に行っているだけなのです。
これは対象が男性スタッフであったとしても、同じです。
ホテルマンがお客様に親切にしているのと同じなのです。
しかし、スタッフの側から見ると、全く違って見えるかもしれません。
派遣会社の営業は、連絡業務だけでも非常に忙しい場合が多く、悪い錯覚をしてしまって、トラブルに発展することはよくあります。
悪い錯覚とは、仕事や連絡を待っているスタッフは常に一人で待っていることを忘れてしまうことです。
スタッフからみれば、頼れるのは担当している営業だけであり、1人対多数(派遣会社)の非常に孤独で不安な状況なのです。
信じて待っていたのに裏切られた、という思いは、電話すると約束しながら出来なかったりした時とか5人のスタッフを派遣している就業先に行って、何かの都合で1人だけ声をかけられなかったりすると起こります。
なので、人材派遣の営業は可能な限りツールを使ってでも効率化をはかり、漏れがないように仕事をこなすしかありません。
また、このIさんのケースですが、スタッフが精神の病がある特殊な人だからと片付けてはいけないと思います。
大事なことは、不幸なことに精神病の領域に踏み入れてしまったスタッフとそうでないスタッフとの差は紙一重だという認識をもつことです。
人材派遣の営業がこの種のトラブルを防ぐ方法
僕がトラブルを回避するために徹底していたことがひとつあります。
それは、絶対に約束をしないということでした。
Iさんの手紙に話を戻すと、僕はIさんがそのスタッフに何らかの約束ととられかねない言動をどこかでしてしまったのではないかと疑っています。
例えば、連絡すると約束しながら、忘れてしまったり忙しすぎで電話が出来なかった場合を考えてみてください。
この場合、その原因である約束さえしなければ、トラブルは回避できるはずです。
具体的には、電話しますと約束はせず、「電話をしようと思いますが、忘れるかもしれないので、その時は、あなたからチェックを入れてください」と、必ず話すようにしていました。
僕は、この方法を他の営業にも教えましたが、実行している人はいませんでした。
派遣会社にとってスタッフはお客様であるので、「忘れるかもしれない」と言うのが失礼なことだと考えたのかもしれません。
ですが、取り込んでいる時に電話があり、そこで対応できないときに、一言これを言っておくことで、約束を守らなかったという不信感からのトラブルはほぼ完全に防ぐことができるのです。
たとえば、電話を貰ったのが夕方の6時だったとします。
まさに会議が始まる直前なので、話が出来ない場合に、「こちらから電話をしますが、もし8時までに電話がなかったら、忘れている可能性もあるので、もう一度お電話ください。」と、はっきりと忘れる可能性もあることを宣言しておくのです。
僕がこれを言うことで、失礼だとか言われたことは、一度もありません。
これによって、電話が出来ない場合や忘れた場合もトラブルにはなりませんし、スタッフのほうも、仕事が忙しいことを察してくれるのです。
もちろん、仮にヒマであったとしても、何が起こるかわからないので、必ずそう話す習慣にするのです。
その電話を他の社員が受けても同じ対応をしてくれれば理想的です。
僕には、電話を受けた社員が伝え忘れたか僕が忘れたかわかりませんが、伝言を認識できずにスタッフとの関係が険悪になったことがあります。
それと、特に男性の営業の方にいいたいことは、女性の場合、男性が考える以上に友達の数は限られているということです。
おそらく1人から3人までが普通なのです。
女子会などで何人も集まって楽しそうにやっているので、友達が多いし寂しくないのだろうと考えるのは大きな間違いです。
発散する場所も男性にくらべると少ないと思うべきです。
そのような環境にある女性スタッフが、たとえ仕事だとしても、親切にしてくれる派遣の営業に恋愛感情を抱いてしまうのは、自然な感情の流れとして理解しておきましょう。
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20190205 by okkochaan