こんにちは、おっこちゃんです。

 

突然ですが、「コーヒーが冷めないうちに」という本を最近読んで、感想としてお伝えしたいことがありますので書きます。

 

書名: コーヒーが冷めないうちに
著者: 川口俊和
発行: 株式会社サンマーク出版

 

実はおっこちゃんは、長いこと作家になろうとしていました。そして、自分が将来書くであろう作品をあれこれと考え、時には書いたりしていましたが、今思えば「行動」が伴いませんでした。

 

これは端的に書かなかった(あるいは書けなかった)からです。

 

僕が作家になろうと思ったのがどのくらい古いかといえば、自分の作品が活字になることが夢の実現だったといえばある程度の検討はつくかもしれません。

 

そして結局その思いを抱いたまま歳月は流れ、僕はサラリーマンとして仕事をし、最近になってブログを書き始めました。

 

ところが、ブログを書くことにおいても作家になろうと思って挫折(実は挫折とは考えていなくてまだ現在進行形ですが)したことと同じことが起こりました。つまり、自分の最大の欠点は思ったことを実行に移すパワーであったり、あるいは始めてから継続したりという力が弱いことであることに気づいたのです。

 

今、僕はこのような後悔するようなことは二度と繰り返さないと強く思っています。

 

思ったことは、その時に可能な限り詰められるところまで詰める習慣を絶対に身につけなければなりません。

読みたいと思った本はすぐに読まなければなりません。

 

また次回と思ったらその次回はくることがないと思うべきです。

しかし、こんな僕でも、世間一般では言い訳としてしか通用しない事項であっても、そのダメな方向に引きずられる強い力を完全には無視できず、いつでも僕の内部では、ダメな僕と理性が命ずる今やるべき事項を優先させようという気持ちとの間で、常に戦っています。

 

言いかえれば、僕はダメな人間の気持がわかると思っています。それは、僕自身を見ればすぐにわかるからです。ついでに、僕がヒロシさんに惹かれるのも、そうした理由かもしれないし、ヒロシさんの「毎日ネガティブ」の日めくりカレンダーが人気があるところを見ると、僕と同じような悩みを感じている方は意外と多いのかも知れません。

 

「最近、こうした書けないとかのことを克服する手段として、好きなことに没頭すればよいと書いてある記事を読みました。僕の好きなことは何だろうとずっと考えていましたが、思い当たらず、好きなことは何だろうと考えるふりをして何もしないことが好きだと思いました。ヒロシです、ヒロシです、ヒロシです。。。」

 

そういえば、私小説が全盛のころに、温泉宿にこもってうんうんうなっても書けない、どうしても書けない、そして結局、どうしても書けないということがテーマの小説になったりすることがあったように思うしそんな小説を読んだ気がします。

 

結局、自分は偉そうにすばらしい作品を書くと豪語し、家族まで巻き込んでいるけれども、もし自分が何者でもなく仕事は大成しないのではないかという恐怖と戦ったり、挙句の果てに落ちぶれて乞食同然になったりする話です。

 

さて、前置きが長くなりましたが、これは僕の癖なので、ここまで付き合ってくださった忍耐心のあるかただけが、やっと本題を読んでいただけるのかなと思っています。

 

小説の主人公が歴史上の偉人であるとか、あるいは一般的には知られていないけれども、こんな偉い人がいたとかいう話から、一般の平凡などこにでもいる人が主人公として活躍するようになって久しいと思います。

 

太宰治さんは、歴史小説を書く作家が、その偉人と比べて偉くないのに、その偉人のことが書けるだろうかという素朴な疑問を投げていたかと思いますが、これはまだ小説の主人公が偉い人であるころの話です。

 

時代がくだり、ある有名な女優が一般男性と結婚し、普通の生活をし、「平凡ってすごいことなのね」とおっしゃっていましたが、さらに時代がくだり、もはや普通という観念すら希薄になり、そうした比較の問題というより人とのつながりが貴重になってしまったのが現代社会ではないでしょうか。

 

この、「コーヒーが冷めないうちに」という小説は、小説のなかで、あるルールに従って、タイムスリップするのですが、タイムスリップして会いにいく人は、ごく身近なひとであり、場合によっては3日前に会った相手だったりします。決して関ケ原の戦いや明治維新にタイムスリップして歴史に立ち会うという設定ではありません。

 

ただそれでもあえて、その日時にその人に会うために立ち戻る、あるいは立ち戻りたいという強い願望は、もしかすると、ほとんどの人間がもっとも強くもっているものかもしれないと思います。

 

あの日あの時、どうして自分はあの人に対して、冷たい態度をとってしまったのだろう、どうして相手の気持ちを汲んで優しい言葉もかけられなかったのだろう・・・・・。

 

こんな気持ちになったことがない方にとっては、おそらくこの「コーヒーが冷めないうちに」という小説はつまらないものであるでしょう。

 

よく、自分は反省はしない、常に前進あるのみといっている方がいます。

 

それはそれで立派なことですが、人間は多くの場合、過去の出来事に引きずられ、無意識のうちに過去を生き直しています。だから、自分は前進しかないと思っている方も、もしかするとこの「コーヒーが冷めないうちに」を読んで、この人は過去を生き直している、という事実を認識することが出来るかもしれません。

 

20161209 by okkochaan